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西村佳哲の検索結果1 - 12 件 / 12件

  • 読み返しながら書かない|西村佳哲

    神山で一緒に働いている仲間が本を書くことになった。本人にとって初めての本。自分はどうだったかなと思い返している。 最初の『自分の仕事をつくる』は5年越しで書いた。34才ぐらいで書き始めて、書き上がったとき38才だった。 その間、ずっと書きつづけていたり推敲を重ねていたわけじゃない。お正月のまとまった時間に「書くぞ!」と取り組んだものの、あっという間に正月は過ぎて忙しくなり、原稿のことは一切忘れて働き、少し余裕が出来た頃「この土日に!」とまずは読み返してみるものの気持ちを辿れないというか、「なにを書きたかったんだっけ?」と迷子になって週末が終わり。夏休みが終わり。正月にまた一から書き直し。でも以下同様…、というのを3〜4回くり返したその先で、最後の正月にトンネルが貫通したんだ。 このときの書き方が不思議だった。文意というより音律で書いていて、たとえば「です。」で終わったセンテンスの次の出だし

      読み返しながら書かない|西村佳哲
    • 「きく」は、その人と一緒にする“小さな冒険”。西村佳哲さん

      「誰かに話を聞いてもらった」ことで、自分の中に新たな気づきが生まれたことはありませんか? 私はライターという職業柄、聞き手に回ることが多く、話すのはちょっと苦手。でも不思議と「話せてしまった」という経験をしたことがあります。なぜか次々に言葉が出てきて、自分の素直な気持ちを言語化できてしまった時間。相手にアドバイスをもらったわけでもないのに、「私が言いたいのはこういうことだったんだ」と自己完結してしまったのです。 その“不思議”の謎が解けたのが、フリーランスのライターとして活動を始めた頃に参加した「インタビューのワークショップ」でした。講師は、著書『自分の仕事をつくる(2003年・晶文社)』を通して知っていた西村佳哲さん。 ワークショップの中で、きく側のあり方によって、話す側に「話せる・話せない」、「思考が深まる・深まらない」という大きな違いが表れてくることを体感しました。「話せた」と感じた

        「きく」は、その人と一緒にする“小さな冒険”。西村佳哲さん
      • ひとの話をきく仕事|西村佳哲

        5泊6日の「インタビューのワークショップ」を終えて、山を下りてきた。今回の滞在は、清里の清泉寮。キリスト教をベースにした場所には清らかさがあって、すごしやすい。自分にとってもいい時間になった。 「清泉寮」は宿泊施設部分の名称で、その全体像は「公益財団法人 キープ協会」。キープは「Kiyosato Educational Experiment Project」の略で、つまり教育実験プロジェクト。太平洋戦争を経て、疎開人口が増えたものの、営農基盤が弱く貧しい暮らしを送らざるを得なかった八ヶ岳山麓の高冷地(ここの標高は1,400m)で始まった、農業と教育の社会実験が出発点だ。 第二次・吉田内閣の頃だと思う。自分はこの12月、沖縄へ行き、そこであらためて知った事々から、70年前、なぜ吉田茂があのような安保条約や背後の密約を交わすに至ったのか関心があり、戻ってからも関連する資料を読んだり、NHKの特

          ひとの話をきく仕事|西村佳哲
        • 外部化と内部化を超えて:西村佳哲「自分の仕事をつくる」|Shimamura, T. 島村徹郎

          タイトルから一見、自己実現をテーマにした自己啓発本か、起業のすすめかと思うかもしれないが、決してそうではない。しかし、これから社会に出て行く人も、バリバリ働いてきて少し疲れている人も、中高年で人生100年時代に面して人も、仕事ってなんだろう、と思い悩むすべての人に手にとってほしいと思う。 自分の仕事について、じっくりと考えて実践することは、年代や仕事内容を問わず、よりよく生きて行くうえで大事なことだ。 私たちは、この世の中に生まれてきたからには、死ぬまでは生きなければならない。私たちが生きるということは、家族あるいはコミュニティや社会、そして世界に、働きかけ働きかけられ、その中でそんな周囲の環境から生きていくための糧をうけとる、そのサイクルのくり返しである。(*1) そのような、私たち自身の社会や世界との関わり合いの中で、仕事は、多くの人たちにとって、時間においてもエネルギーにおいても、大

            外部化と内部化を超えて:西村佳哲「自分の仕事をつくる」|Shimamura, T. 島村徹郎
          • 2020年10月17日(土曜日)18日(日曜日)『soar conference 2020〜関わり』西村佳哲、東畑開人、伊藤亜紗、奥田知志、中村真広、安斎勇樹 | soar(ソア)

            2020年10月17日(土曜日)18日(日曜日)『soar conference 2020〜関わり』西村佳哲、東畑開人、伊藤亜紗、奥田知志、中村真広、安斎勇樹 挨拶をする、一緒に遊ぶ、ものをつくる、食卓を囲む、互いのこえに耳を傾ける。 わたしとあなたが共にいること。相手の存在を感じること。 望むと望まざるとにかかわらず、私たちはこの世界に存在するだけで、互いに関わり合い、影響を及ぼし合っている。 同じ時間を過ごし、喜びや悲しさを分かち合う。 対話を通して、お互いの新しい一面を発見する。 自分の内側に眠っていた、願いや感情、エネルギーが開かれる。 人が生きるということは、「関わり」の中で生きるということだ。 ときには、窮屈に思うこともあるかもしれない。 ときには、痛みを伴うこともあるかもしれない。 一人ひとり違う身体を持ってこの世界に生まれたわたしたちは、だけど決して独りでは存在しえない。

              2020年10月17日(土曜日)18日(日曜日)『soar conference 2020〜関わり』西村佳哲、東畑開人、伊藤亜紗、奥田知志、中村真広、安斎勇樹 | soar(ソア)
            • (時代の栞)「自分の仕事をつくる」 2003年刊・西村佳哲 納得いく人生にする、工夫と姿勢:朝日新聞デジタル

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                (時代の栞)「自分の仕事をつくる」 2003年刊・西村佳哲 納得いく人生にする、工夫と姿勢:朝日新聞デジタル
              • 10月のふりかえり|表現者には難しい時代で、同時に、役割がハッキリした時代を生きていると思う|西村佳哲

                写真上:前田聡子 先月の遠野滞在のつづきから。今月はなんでだか長い。 10月◯日「インタビューのワークショップ」の中で、参加メンバーと〝物語〟の話になる。本人は「前にこういうことがあったから、いま自分はこうで」といった因果関係で自分を語りがちだけど、そんなことはなくて、実はすべて〝たまたま〟なんじゃない? きき手も過去・現在・未来の流れで人を理解しがちだ。一貫性や、同じ一つの物語を生きているという認識は安心感を与える。けど、人が生きていることのわけのわからなさや、無意味さを、物語に回収してしまうのはもったいないんじゃないか。 「きく」ことに切実さのある人の割合が高く、こんな話まで交わし合えて楽しい。ワークショップは本当にメンバー次第だ。 10月◯日明け方嫌な夢をみて、くすんだ気持ちでおきる。自分が無意識に感じている惨めさを、夢は遠慮なく体験させる。 ワークショップの最中でまだ遠野にいる。薪

                  10月のふりかえり|表現者には難しい時代で、同時に、役割がハッキリした時代を生きていると思う|西村佳哲
                • ひとがよく育つまち、がいいな|西村佳哲

                  神山の鍛くん(高三)の「ニューヨーク報告会」を聞きに、かま屋へ行ってきた。 中三のとき、神山でフードハブ・プロジェクトが立ち上がって、農園と食堂がスタート。料理の世界に関心のあった彼はその様子を見て、まちの高校への進学と「かま屋」でのバイトを決め、門を叩き、初の高校生アルバイトに。仕事は皿洗いからで、いつも洗い場にいた。 そのうち野菜を刻んだり、下ごしらえも任されるようになったけど、「こんにちは」と挨拶をしても「あ、はい..」という感じで、本人の世界の中にいる感じだった。 追って、かま屋にデイブというシェフが訪れる。彼はニューヨークのレストランの凄腕料理人で、シェフインレジデンス・プログラムで神山に滞在。一年と少々、山あいのまちで、身近な生産者との関係から生まれる料理を楽しみ、これからどう生きてゆくか考えていた。 この頃、鍛くんはデイブのディナーの片腕としてグリル(焼き場)を任されるように

                    ひとがよく育つまち、がいいな|西村佳哲
                  • 自分の手で暮らしをつくる『いま、地方で生きるということ』西村佳哲

                      自分の手で暮らしをつくる『いま、地方で生きるということ』西村佳哲
                    • 現状の認識:4月19日|西村佳哲

                      『シェフを「つづける」ということ』という本を書いた、井川直子さんという方がいる。お会いしたことはないのだけど前に帯文を書かせてもらった。その彼女がnoteで、かかわりのある飲食店のオーナー/シェフに、いまなにを考え・どう動いているか、訊ねてゆくインタビューを始めている。 飲食店店主たちの、出口の見えない苦悶。突き動かされて拾い集めることにしました。#コロナ #補償なき自粛要請 「何が正解なのかわからない」|井川直子 naoko ikawa #note https://t.co/YWNcDNQrRx — 井川直子 naoko ikawa (@ikawa_nao) April 8, 2020 〝感染するのも、させるのも避けるため、今はみんなで目を閉じる時〟と〝売上がなければ閉店は必然〟。この矛盾する二つを、国も都も「強制はしないから、みなさん自分で考えて」と、良心に訴えて丸投げしてきたというこ

                        現状の認識:4月19日|西村佳哲
                      • 西村佳哲の記事一覧

                        西村さんは、デザインの仕事をしながら、著書『自分の仕事をつくる』(晶文社)をはじめ多分野の方へのインタビューを通して、私たちが新しい世界と出会うチャンスを届けてくれています。それらから気づきをもらい、影響された方も多いと思います。西村さんは毎日どんな風景を見て、どんなことを考えているのだろう。そんな素朴な疑問を投げてみたところ、フォトエッセイの連載が始まりました。 第1回 違和感を手放さない 2017/10/01更新 第2回 それがないと 2017/10/18更新 第3回 非構成的エンカウンターグループ 2017/11/02更新 第4回 ここを離れて、次の場所へ 2017/11/19更新 第5回 あいていない扉をひらく 2017/12/04更新 第6回 どこまでが自分? 2017/12/19更新 第7回 目をとじて、見えてくるもの 2018/01/07更新 第8回 みんな一所懸命 2018

                          西村佳哲の記事一覧
                        • 必要なものは愛情でしかない|西村佳哲

                          友人夫妻とスタッフが営む「efish」というカフェの閉店の立ち会いで、何日か京都に滞在した。写真は最終日の一コマ。お店のロゴをデザインした近藤さん(京都の大学出身)が東京から駆けつけ、楽しげに選曲している。 この前の2日間・10/14と15日の夜に、オーナーの西堀夫妻やスタッフの話を聞くトークイベントをひらいた。僕がインタビュアー。半年ほど前に店を閉じると聞き、しばらく考えて、自分から提案した。 考えたのは「トークイベントなんてやりたくないんじゃないかな」ということだ。最後の日もいつも通り店をひらき、いつも通り食事や飲物をつくって終えていきたいんじゃないか。パーティーくらい開くだろうけど、それは「一緒に楽しもう」ということで、あらためてなにか言葉にしたり、語りたいなんて思わないんじゃないか。 でも提案には快諾が届き、当日に。普段はハワイにいる彼(西堀晋)と再会して直接訊ねてみたところ、やっ

                            必要なものは愛情でしかない|西村佳哲
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