タカが新しい獲物を発見したようだ──。 ジョン・ボルトンといえば、近年の米国の戦争(アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、イランとの交渉決裂)を推進し、しばしばその当事者でもあったタカ派である。そのボルトンの射程に中国が入ったのだ。 知名度抜群のこのネオコンは2019年9月、トランプ政権の優柔不断な外交政策を批判して、政権を離れた。2020年6月には回顧録を出版し、トランプ大統領に意趣返しを果たした。トランプへの主な批判は、中国政府を第一の敵とするまでに時間をかけ過ぎたことだ。トランプがお人好しだったせいで、習近平がやりたい放題できたというわけだ。 香港では民主主義の運動が鎮圧され、南シナ海では中国の拡張政策が継続され、貿易戦争やテクノロジー戦争も勃発した。新興のライバル国に毅然と立ち向かえない米国の姿を見るたびにボルトンは臍(ほぞ)を噛む思いをしてきたという。 トレードマークの白い口ひ