つい最近まで安倍政権を礼賛していたメディア、言論人、芸人、ネトウヨの類いが、手のひらを返したように安倍を批判し、維新の会礼賛を始めている。しかし、官邸と維新の会はベタベタな関係。裏にいるのも同じような連中だ。安倍を使って日本を食いものにしてきた勢力が、今度は維新の会を担ぎ上げよ…
尾身茂(右)、西浦博(左)らの新型コロナ対策専門家会議が会見を行ったときの様子。2020年5月。西浦氏が人との接触において「8割削減」を提唱。(写真:AFP/アフロ) 危機が発生すると、必ずデマゴーグが出現する。今回、新型コロナウイルスのパンデミックがあぶり出したのは、無責任な極論、似非科学、陰謀論を声高に叫び出す連中の正体だった。彼らの発言は二転三転してきたが、社会に与えた害は大きい。実際、人の命がかかわっているのだ。追及すべきは、わが国の知的土壌の脆弱性である。専門家の中でも意見が分かれる中、われわれはどのように思考すればいいのだろうか。中野剛志×佐藤健志×適菜収が緊急鼎談を行った。 この記事の写真はこちら ■「新型コロナ専門家会議」を断罪したのは誰か 適菜:今回の新型コロナ禍において、わが国の言論の状況の病が可視化した。デマを流す連中、いいかげんなことを言う連中が次々と現れたわけです
新型コロナウイルスに対する「言論人」の見解が大きく分かれたのはなぜか? 新型コロナ軽視論を垂れ流し続けた「知識人」の胸の内はどのようなものなのか? 評論家・中野剛志氏と、作家・適菜収氏が、「知識人ごっこ」をして悪ふざけをする連中に鉄槌をくだす。ふたりの対談の新刊『思想の免疫力』では実名で糾弾する!発売は8月10日(Amazonでは12日)発売決定。 コロナ禍による緊急事態宣言下の新橋の飲屋街 ■「筆を折る」と宣言した人間 中野:以前に小林秀雄が未知の事態の対応に失敗した例として秀吉を挙げた話をしました。その同じ講演では成功例として信長の桶狭間の戦いを挙げているんです。 今川義元の大軍が押し寄せて来たとき、織田家の家臣団は清洲籠城を信長に進言した。こういう時は、籠城がスタンダードな理論だったからでしょう。でも信長は、圧倒的な不利をひっくり返さなければいけないという「未知の事態」に対して、既存
「新型コロナは風邪と同じ」「自粛する日本人はバカだ」……。真面目に生活している人に「自粛厨」「コロナ悩」などとレッテルを貼る学者や言論人がのさばってきた。評論家・中野剛志氏と、作家・適菜収氏が語りあった書、新刊『思想の免疫力』が8月10日に発売(Amazonは12日)になる。ここで語られるテーマは深く、そして永遠のテーマだ。「知識人が陥りがちな罠」とは何か? それは言葉を持った人間の宿痾とも言えるものだった……。 コロナ禍のGW。3回目の緊急事態宣言が発令された東京(2021年5月3日) ■人を説得することは可能なのか? 適菜:小林秀雄は、若い頃は人を説得しようとすることが多かったそうです。それで相手を叱ったり、非難したりしていた。でも年を取ったら丸くなっちゃった。「丸くなった」という言い方が適当か分かりませんが、説得は無駄だと思うようになった。小林はこう言っています。 《僕は、とにかく人
大阪市選挙管理委員会は「大阪都構想」の是非を問う住民投票について、11月1日投開票とする日程を決めた。産経新聞が大阪市内の有権者を対象に世論調査を行ったところ、賛成は49・2%、反対は39・6%となった。注目すべきは、都構想についての府市の説明については71・8%が「十分ではない」と答えていること。つまり、内容を理解せずに、賛成したり反対したりする人がかなりいるということだ。 【写真】この記事の関連写真を見る(8枚) どうしてこういうことになるのか。答えは簡単だ。大阪市の財源を狙う維新の会が、確信犯的に大阪市民を騙そうとしているからだ。証拠は山ほどある。 今回、市選管は投票用紙に「大阪市を廃止し特別区を設置することについて」と明記したうえで「賛成」か「反対」のどちらかを記入する方式にした。前回、2015年5月の住民投票の際はこの文言はなかったので一歩前進と言ってよいが、これに反発したのが大
「維新の会周辺にはなぜ犯罪者が多いのか」と問うのは順番が逆だ。問題を起こすような人物だから維新に接近していくのである。順法意識や社会性の欠如、短く言えば、人間性の欠如。前回に続き、「思い出に残る維新の犯罪ベスト10」を振り返る(逮捕容疑や肩書などは発生当時)。 【第5位】中学生を恐喝 衆院選愛知5区から出馬を予定していた府議の山本景が、通信アプリ「LINE」を通じてトラブルになった女子中学生に「ただでは済まさない」などのメッセージを送り恐喝。山本は無断で小学校のフェスティバルで児童に名刺を配ったり、下校途中の中学生たちを自分の事務所内に入れていた。中学生を脅すというのがいかにも維新的。 【第4位】金銭の不祥事 政務活動費の流用など、維新とカネの問題は多すぎて記載しきれない。事務所賃料のうち9割を政務調査費で支払いながら、事務所オーナーの父親からキックバックを受けていた市議の飯田哲史のような
そもそも人を教育するとはどういうことか?【中野剛志×適菜収×小池淳司〈第1回〉】 神戸大学工学部100周年記念学内シンポジウム鼎談《第1回》【中野剛志×適菜収×小池淳司(神戸大学工学部長)】 神戸大学工学部100周年記念学内シンポジウム「大学(工学)教育を考える」(2022年7月15日)が、小池淳司・神戸大学大学院工学研究科長の司会のもと開催された。ゲストは工学以外の分野で活躍されている方として、評論家の中野剛志氏と作家の適菜収氏が迎えられた。テーマは、①「そもそも教育するとはどういうことか?」、②「教養とは何か、またそれをどう教えるべきか?」 ③「これからの大学(工学)教育はどうあるべきか?」。 大学の社会的役割、次世代の技術者・研究者の教育に関する議論、および「知」「技」の伝達をめぐる議論は、ビジネスの世界でも参考にもなるだろう。今回BEST TIMESでは全5回にわけてシンポジウムの
統一教会問題を矮小化・安倍国葬を賛美 やっぱり反日勢力だった安倍周辺の人々【適菜収】 【隔週連載】だから何度も言ったのに 第25回 異様な発言を続ける橋下徹、三浦瑠麗、茂木健一郎……。「臭いもの(統一教会問題)には蓋をしろ、そんなことに拘っている場合じゃない」と言わんばかりの彼らの論点ずらしの目的は何か。新刊『日本をダメにした 新B層の研究』を刊行し、売国政治屋をのさばらせた大衆社会の末路を鋭く分析した適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第25回。 看板に偽りあり。感情の起伏がすぐに顔と言葉に出てしまう高市早苗。会見はいつも冷静さを装って笑顔を絶やさないようにしているようだけれど、それってむしろ怖いよね。だって目はまったく笑っていないんだもん。 ■「国葬反対 SNS発信の8割は隣の大陸から」発言の真偽とは バンドにおける楽器の演奏は比較的自由だが、それでも前提がある。それはチューニング
問題となった「桜を見る会」であいさつする安倍晋三元首相(2019年4月13日) 7月8日で安倍晋三元首相の一周忌を迎える。安倍氏の死後、岸田文雄首相をはじめ多くの自民党国会議員が「安倍氏の意思を継承する」などと公言し、安倍氏の政治思想を受け継ぐ姿勢をみせている。しかし、7月に『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)を出版した作家の適菜収氏は「安倍氏は保守ではない」と断言する。三島由紀夫に関する著作もある適菜氏に、改めて安倍氏の思想と保守主義について語ってもらった。 【写真】安倍氏を「憲政史上初めて」と大絶賛した女性議員はこの人 * * * 安倍氏の一周忌に合わせて多くの書籍や特集記事などが出ています。保守を標榜するメディアでは安倍氏の実績を礼賛するような内容がたくさん出てきていますが、改めて安倍氏がどういった政治家だったのか、事実に基づいて、評価しなおすことが重要だと考えています。 私は安倍氏
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