立春を過ぎてもまだ寒さが厳しい日が続きます。 この時期、手足だけでなく、お腹が冷えるという経験をしたことはありませんか。私の治療院の患者さんにも、お腹を触るとそこだけが冷たい、あるいは冷えているような感覚を訴える方が増えています。 「冷え腹(内臓型冷え症)」とは? 通常、冷え症というと、手足や全身など皮膚の表面に冷え症状が表れるものを思い浮かべるかもしれません。しかし、「冷え腹(内臓型冷え症)」では手足が温かく、お腹だけが冷えることもあります。全身や手足が冷える冷え症とは特徴がまったく異なります。 古来、漢方医学では冷え腹によってもたらされる症状を、「疝(セン)」「疝痛」「癪(シャク)」「さしこみ」などと表現し、その症状や処方が論じられてきました。これらの言葉は、急に起こる激しい頭痛やけいれん性の腹痛(下腹部痛)や下痢などを示しています。 急性の冷え腹の場合、外側から温めてあげて、適切な食