国土交通省の「令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」(委員長:中埜良昭・東京大学生産技術研究所教授)は2024年11月1日、能登半島地震の建物被害の分析結果を取りまとめた。木造建築物の現行耐震基準は倒壊・崩壊の防止に有効だったとし、耐震化の遅れが被害拡大につながったと結論づけた。 能登半島地震による被害が大きかった木造建築物については、日本建築学会が石川県輪島市や珠洲市、穴水町内で実施した悉皆(しっかい)調査の結果を基に、計4909棟について航空写真や建築確認台帳の情報を用いて年代別に分析した。倒壊要因については、建築主らから入手した図面や構造計算などを基に検討した。 この結果、新耐震基準が導入された1981年以前の建物3408棟のうち約19.4%に当たる662棟が倒壊・崩壊していた。新耐震基準の導入以降では、接合部などの基準を明確化した2000年以前の建物の倒