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Febriの検索結果1 - 40 件 / 388件

  • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(前編) | Febri

    ――今回、川上さんは「ライブディレクター」という肩書きで参加しています。これがどういう役職なのか、どんな目的でこの役職を立てたのかを、プロデューサーの梅原さんから説明していただけますか? 梅原 まずアニプレックスさんから「ライブシーンは手描きでいきたい」という意向をいただいていたんです。そうすると、モーションキャプチャーを収録したあと、手描きで作業するためのCGのガイドを出す必要があって――つまり、手描きとCG、両方の知識を持っている人が必要だったんです。そこで、早くからBlender(※3DCGアニメ制作ソフト)を作業に取り入れていた川上君に声をかけたという流れですね。 川上 自分はもともと第5話「飛べない魚」本編のコンテ・演出を担当していたんですが、ライブシーンに関しては当初、斎藤監督が全話ひとりで演出したいとおっしゃっていたんです。ただ、モーションキャプチャーをやるとなると、プリプロ

      メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(前編) | Febri
    • オタクだけどオタクじゃない「新世代オタク」とは?『Febri Vol.19』より - ぐるりみち。

      Febri (フェブリ) Vol.19 一迅社 2013-10-10 Amazon 楽天ブックス オタクだけど……オタクじゃなかったー! 『Febri Vol.19』に掲載されていた特集「あたらしいオタクの肖像」がなかなか興味深かったので、簡単にご紹介。艦これ特集が目的だったはずなのに、そっちはまだ読んでいません。はっはっは。 僕自身はオタク論・サブカル論・世代論などに関してはほとんど知識がないので、その辺にいるオタク一個人としての感想です。詳しい人の感想を聞いてみたいな。 スポンサーリンク 現代の若者の興味関心 ライターの飯田一史(@cattower)さんがまとめたこの特集は、現代を生きる「新世代オタク」の実態を調べたもの。中学生と高校生(一部大学生)、約200名(男女比はほぼ1:1)にアンケート調査とインタビュー取材を行い、その傾向を探っています。 まず驚いたのが、今の中高生の間ではア

        オタクだけどオタクじゃない「新世代オタク」とは?『Febri Vol.19』より - ぐるりみち。
      • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実① | Febri

        『ヤマノススメ』など数々の人気作で知られるアニメ監督・山本裕介。そのキャリアの初期に関わった『機動戦士Vガンダム』は、自身にとって憧れの富野由悠季監督から直接多くのことを学んだ、思い入れの強いタイトルだという。放送30周年を迎えるタイミングで、あらためて制作当時のことを振り返ってもらった。 ――『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』といえば、富野由悠季監督の当時を振り返ったセンセーショナルな物言いや、「見なくていい」発言がいまだに独り歩きしている印象があります。 山本 ですよね。でも、僕が見た『Vガンダム』の現場は、そうした印象とは全然違っていました。そういう話を今日はしたいな、と。Blu-ray BOXのブックレットに掲載されている渡邉哲也さん、森邦宏くんとの鼎談でもそんな話をしたのですが、もう少し話しておきたいことがあって。ちなみに『Vガンダム』って放送当時、ご覧になっていましたか

          山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実① | Febri
        • 青森県立美術館「富野由悠季の世界」展 特別対談 富野由悠季×樋口真嗣① | Febri

          樋口 中学生のときに『機動戦士ガンダム』を見てから本当に尊敬しておりますし、憧れのアイドルでもある富野由悠季監督とこうして対談できるなんて、40年前の自分に自慢できます。関係者の皆様、本当にありがとうございます。 富野 尊敬されている富野という話は、今初めて聞きました(笑)。普段からそう言ってくれていれば、僕だってもう少しいいおじいちゃんになれていたし、自信だって持てたと感じています。 樋口 面と向かってなかなか言えないですよ(笑)。 富野 そういう尊敬を得られていると知れて、今、僕はとても感動しています。 樋口 私とキャラがかぶるので間違われる細田守という男がいまして(笑)、彼と一緒に福岡での展示を見ました。富野監督の圧倒的な人生を浴びるように体験するわけですが、『聖戦士ダンバイン』あたりで脳が固まってしまうんです。もうダメだと。博多ですから屋台でとりあえずこの情報の原液を消化しようと(

            青森県立美術館「富野由悠季の世界」展 特別対談 富野由悠季×樋口真嗣① | Febri
          • 『響け!ユーフォニアム3』黒沢ともよに聞いた久美子の3年間① | Febri

            吹奏楽青春アニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズのTVアニメ第3期『 響け!ユーフォニアム3』が4月より放送中。高校3年生となり、吹奏楽部部長として悲願の全国金賞を目指す黄前久美子の奮闘を中心に、さまざまなキャラクターたちのドラマが描かれている。残すところ最終話のみとなり、ファンの盛り上がりも最高潮に達しているなか、今回は久美子を演じる黒沢ともよさんのインタビューを前後編でお届け。前編は、キャラクターの成長や関係性の変化を中心に聞いた。 ――最終章となる第3シーズンですが、どんな気持ちで収録を迎えましたか? 黒沢 3年生編の制作が発表されたのは2019年。それからいろいろなことがあっての今回だったので、終わっちゃうんだなという寂しさはありつつも、ここまでたどり着けてよかったという気持ちのほうが強かったですね。自分の気持ちがどうこうよりも、とにかくシンプルにいいものにしたいなと思って収録に臨

              『響け!ユーフォニアム3』黒沢ともよに聞いた久美子の3年間① | Febri
            • ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実① | Febri

              TVアニメ『機動戦士Vガンダム』放送開始30周年記念企画。山本裕介のインタビューに続いては、主人公・ウッソ・エヴィン役の阪口大助と、ヒロインにしてラスボスだったカテジナ・ルース役の渡辺久美子の対談を全3回でお届けする。まずは富野由悠季監督作品ならではの、厳しくも温かなアフレコ現場の独特な空気についての証言から。 ――今年は『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』が放送開始から30周年になります。阪口さんはこの作品がほぼデビュー作なんですよね。 阪口 そうですね。くーさん(渡辺)はもうお仕事をされていて。 渡辺 とはいえ、『ガンダム』シリーズのタイトルは、それまで私が仕事をしてきたほのぼのした作品とは雰囲気がかなり異なるものでしたから。多少経験があったとはいえ、ほぼ新人に近い意識でしたよ。今でこそ、こんな風にのほほんとやっていますが(笑)、当時はまだ気を使わないといけないことがいっぱいあっ

                ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実① | Febri
              • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(後編) | Febri

                好評をもって迎えられたバンド青春物語『ぼっち・ざ・ろっく!』。そのライブシーン制作の舞台裏を聞くインタビュー後編では、シリーズ後半のライブシーンを中心に本作ならではの苦労、そして手応とともに、本編のユニークなテイストがどこから生まれてきたのか。アニメーションプロデューサーの梅原翔太とライブディレクターの川上雄介に聞いた。 ――第8話「ぼっち・ざ・ろっく」は、斎藤監督が自らコンテを担当したエピソードですね。結束バンドが初めてのライブに挑む回ですが、川上さんは技術的なサポートなどを担当したということでしょうか? 川上 そうですね。CGの方からキャプチャーしたデータが送られてきて、そこから各アニメーターがタイミング込みで作っていくんですが、その際のデータのやり取りを担当しています。あとは光源の設定だったり、美術の発注も必要になるので、そのあたりのチェックもやっていますね。とくにこの第8話は、ライ

                  メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(後編) | Febri
                • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(中編) | Febri

                  ――ここからは個々のライブシーンについて、話を聞いていきます。まずは川上さん自身がコンテ・演出を担当した第5話「飛べない魚」。ライブ出演に向けて、結束バンドがオーディションを受けるという場面ですね。 川上 このライブシーンの前半では、キャラクターの感情を丁寧に拾っていこうと考えていました。自分はそれまでハイスピードアクションや空間を使ったアクションを得意としていたのですが、次に自分がどこに挑もうかと考えたときに「感情が爆発するアクション」だなと。そこで初めて挑戦したのが『ワンダーエッグ・プライオリティ』だったんですが、初めてのことだったので、なかなかうまくできなかったところもあったんです。 ――アクション作画を追求していくなかで、今回の第5話があったわけですね。 川上 そうですね。この第5話では、自分がやりたいと思っていたアクションシーンにやっとたどり着いた感じがありました。 梅原 アクシ

                    メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(中編) | Febri
                  • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri

                    『ヤマノススメ』など数々の人気作を手がけてきたアニメ監督・山本裕介が、キャリア初期に参加した『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』の制作当時を振り返るインタビュー連載。第2回では、現場に入って直面したこれまでの作品との違いや、富野由悠季総監督から伝えられた演出方針について語ってもらった。 ――実際に第28話「大脱走」の演出を務めることになって、杉島邦久さんの描いた絵コンテを受け取ったときは、どのような印象でしたか? 山本 杉島さんは前から存じ上げていましたし、関わられた作品も見ていたのですが、それでも今まで自分が処理していた絵コンテとは密度が全然違って驚かされました。まず単純に、ひとつのフレームの中に入っているものが多い。キャラクターが多く、奥にモビルスーツもいる。手前では犬が吠えている。ひとつの画面の中に、とにかくいろいろな要素が入っているんです。ほぼ同時期に関わった別の作品だと、フ

                      山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri
                    • 『響け!ユーフォニアム3』黒沢ともよに聞いた久美子の3年間② | Febri

                      吹奏楽青春アニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズのTVアニメ第3期『 響け!ユーフォニアム3(以下、ユーフォ3)』が4月より放送中。高校3年生となり、吹奏楽部部長として悲願の全国金賞を目指す黄前久美子の奮闘を中心に、さまざまなキャラクターたちのドラマが描かれていく。残すところ最終話のみとなり、ファンの盛り上がりも最高潮に達しているなか、今回は久美子を演じる黒沢ともよさんのインタビューを前後編でお届け。後編は、印象的なシーンや最終話の見どころを中心に語ってもらった。 ――第12話までで、とくに印象深いシーンはどこになりますか? 黒沢 第11話での、久美子とお姉ちゃん(麻美子)の会話ですね。お姉ちゃんに髪を結ってもらいながら、オーディションでソリに選ばれなかったことなどを淡々と話すのですが、久美子が自分の感情をそのまま口に出したのって『ユーフォ3』ではこの場面しかなかったような気がするんです。

                        『響け!ユーフォニアム3』黒沢ともよに聞いた久美子の3年間② | Febri
                      • 『IM@S Febri』表紙画像についてのお詫びとお知らせ | 一迅社 | お知らせ

                        平素は弊社商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 8月2日に発売となります『IM@S Febri』につきまして、書店様などを中心に掲載されました表紙画像に、キャラクターの集合イラストから「高槻やよい」が欠けているというご指摘とお問い合わせを多数いただいております。 こちらにつきまして調査を行ったところ、各書店様等に表紙の画像データを送る際、誤って最終校了前の表紙データを送ってしまっていたことが判明しました。 まだ、制作中であるにもかかわらず、書影を早期に掲出したく、精査を怠った結果でございまして、深く反省しております。 このたびのミスにより、お客様および関係各所に多大なご迷惑および誤解を招いてしまいまして大変申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。 なお、8月2日に発売となります商品につきましては、「高槻やよい」を含めた13人の集合イラストになっておりますのでご安心く

                        • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑥ | Febri

                          ――特攻シーンの盛り上がりもですが、その前後の展開の密度もすごいです。分解していくエンジェル・ハイロゥやウッソとクロノクルの決戦など、普通だったらもう数話はかかりそうな要素を、演出でぎゅっと詰め込んでいる感があります。 山本 それはもう、僕の絵コンテが下敷きにあったとしても、富野監督がまとめてくださったからです。監督がよく言う「方向性の流れで見せてしまう」という演出論があるんですね。右から左にフィルムを流すように、上手(かみて)から下手(しもて)への流れが整理されていれば、どんなに込み入った話でも成立して見える。ストーリーだけでなく、フィルムの流れで見せてしまえ、ということなんです。 ――演出できちんとコントロールできていれば、ストーリーの煩雑さは問題ではないわけですね。 山本 それにも関連してくるのですが、第50話のカッティングはとても印象に残っています。というのも、2回目に怒られたのが

                            山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑥ | Febri
                          • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実④ | Febri

                            『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』で初めて演出を手がけた第28話に続いて、第34話では絵コンテも担当することになった山本裕介。しかし、ここで初めて富野由悠季監督からカミナリを落とされることになる。その修正指示などから、富野監督がひとつひとつのシーンに込めた意図を読み解いていく。 ――富野監督の事務所での打ち合わせで、具体的な映像のスタイルについての話はあったのでしょうか? 山本 絵コンテ打ちでメカや舞台設定のイメージを伝えられることはあっても、演出的にこうしろ、ああしろという具体的な見せ方の指示はほとんどなかったです。「質問があれば聞くよ」といったざっくりしたもので、あとは主に世間話でしたね(笑)。むしろコンテが上がってチェックが終わったあとのほうが印象に残っています。 ――そこから何が始まるのでしょう? 山本 絵コンテを提出して数日後に「明日の昼に富野監督が決定稿を出してくれるそ

                              山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実④ | Febri
                            • 第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦⼠ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(前編) | Febri

                              2024年3月15日~20日に開催された第2回新潟国際アニメーション映画祭。映画祭2日目となる3月16日、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(以下、逆襲のシャア)』がイベント上映されることを記念し、監督の富野由悠季氏とモビルスーツデザインを手がけた出渕裕氏によるトークショーが開催された。本記事では、その内容を前後編にして掲載。前編では、アニメにおける長編、短編とはどういうものかを入口にトークが行われた。 富野 まず(アニメ業界)60周年というのが、イヤなの。もうひとつイヤなのは、ここで『逆襲のシャア』を上映するというんだけど、あの作品、何年前のものか知ってる? 36年前。高畑(勲)さんの作品の上映もあるので、それよりは新しいかもしれないという言い方はできます。僕にとって高畑監督は師匠ですから。師匠と一緒に上映されるのはいいのだけれど、照れるなあと。 出渕 富野さんとこうした公式のトークをやる

                                第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦⼠ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(前編) | Febri
                              • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑤ | Febri

                                山本裕介が『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』に関わった中で、第41話はシリーズで唯一、富野由悠季との連名で絵コンテが描かれた話数でもある。その経緯と、自身が「もっとも完成度が高い」と語るこのエピソードの真髄を明かしてもらった。 ――第41話「父のつくった戦場」の絵コンテは、富野監督との連名(富野監督は斧谷稔名義)でのクレジットになっています。この作品で、絵コンテが連名でクレジットされている方は他にいないのですが……。 山本 それは、今言われて初めて気づきました。ただ、連名なのは当然で、僕はこの話の途中までしかコンテを描いていないんです。具体的には最初の戦闘のくだりまで描いて未完成のまま引き上げられたのですが、それに関しては僕にも多少言い分がありまして……(苦笑)。ちょうど富野監督がこの絵コンテをチェックするタイミングで、ワルシャワでの音楽収録が入ったんです。それで「ワルシャワに行く

                                  山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑤ | Febri
                                • 「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(後編) | Febri

                                  第10回 富野由悠季とアムロ・レイ 富野由悠季監督へのインタビュー3回目は、アムロ・レイを継承するとはどういうことかを聞いた。アムロを継承するということは、つまり古谷徹から声優が交代した場合、それまでの演技を古典として模倣すべきか、あるいは独自の演技論を取り入れるべきかという意味である。古谷徹以外のアムロは新しい芝居となるのか、あるいはフェイクとなるのか。 ――アムロやシャアの声が交代したとき、それはフェイクになってしまうのでしょうか? 富野 そういう考え方もあるでしょうけれども、受け手側の一般大衆というのはそれほどバカではないんですよ。もし、古谷徹や池田秀一という人が亡くなってしまったあとで、他の人がその役を演じた瞬間、アムロやシャアの人気というものは消えます。 受け手というのはある意味でとても冷たいんです。それは自分の問題ではないから「アムロじゃないじゃん。シャアじゃないよ、こんなの」

                                    「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(後編) | Febri
                                  • 北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」① | Febri

                                    ――作品の話題に入る前に、まず、北村監督がアニメ業界を志したきっかけを教えてください。 北村 子供の頃からアニメは好きだったんですよ。とくに好きだった作品は『少女革命ウテナ』なんですけど、雑誌やガイドブックを見るのも好きで、スタッフさんのインタビューなどを読んでいるうちに「楽しそうだな」と思って、自然とアニメ業界に行きたいなと考えるようになりました。やるからには監督になりたいと思って、OLMの門を叩きました。 ――演出家としてのイロハを教わった「師匠」のような存在はいますか? 北村 師匠だと思っている方は何人もいるんですけど、中でも密に教わったのは高橋ナオヒトさんと須藤典彦さんですね。子供向け作品に制作進行・演出として携わりながら、いろいろなことを教えていただきました。 ――その頃は、監督になったらどういう作品を手がけたいと考えていましたか? 北村 尖ったドラマ性のある作品をやりたかったん

                                      北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」① | Febri
                                    • 『リコリス・リコイル』初監督作を終えた足立慎吾の胸の内① | Febri

                                      ――初監督作品が大きな反響を得ながら最終話の放送を迎えました。現在の率直な心境はいかがですか? 足立 それが……あまり実感はないんですよね。激ムズゲームをクリアしたときみたいな達成感があるのかなと思いきや、現場作業もスゥーっと静かに終わっていって(笑)。 ――これだけ多くの話題になりましたから、周囲から声をかけられることも多いんじゃないですか? 足立 業界の方とお会いすると、「見ましたよ」とか「ヒットしてよかったですね」という声はかけられるんですけど、このキャラクターが好きとか、あのシーンがよかったとか、あの展開には驚いたとか、具体的な感想はあんまり出てこないんですよ。だから、みんなしっかり見てはいないんだと思います(笑)。親しい人には「400文字詰めの原稿用紙で感想をくれ」って迫ったりして(笑)。もちろん、冗談で言っているんですけど、自分のまわりは意外とあっさりとした感じなんです。 ――

                                        『リコリス・リコイル』初監督作を終えた足立慎吾の胸の内① | Febri
                                      • ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri

                                        TVアニメ『機動戦士Vガンダム』放送開始30周年記念企画、ウッソ・エヴィン役・阪口大助とカテジナ・ルース役・渡辺久美子のスペシャル対談。第2回は、引き続き当時のアフレコ模様を掘り下げながら、『Vガンダム』の多面的なキャラクター造形を紐解いていく。 ――渡辺さんは『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』の現場でそれまでに出演していた作品と違う空気を感じることはありましたか? 渡辺 自分がそれまで出ていた作品では、メインの若い子のまわりを中堅の方々が固めて、のびのびと出せるものを全部出せばいいという状態を作ってくださっていたんです。だから、あまり難しいことは考えていませんでした。そもそも作品の内容も、あまり難しいことを求められるタイプではなかったんです。その点、『Vガンダム』は全然違いますよね。考えれば考えるほど、悩んでしまう。しかも、考えすぎて演じると、富野監督から「そういうお芝居は嫌いな

                                          ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri
                                        • 『地球外少年少女』と『プラネテス』の接触点 磯 光雄×幸村 誠 スペシャル対談① | Febri

                                          ――おふたりは今日が初対面なんですよね。 磯 そうです。『プラネテス』は以前から拝読していたので、お会いできてうれしいです。 幸村 こちらこそ光栄です! 僕の宇宙知識は20年前で止まっているので、『地球外少年少女』を見たときは稲妻が走って、「最新の情報を取り込んだらこんなことになるのか!」と感動をおぼえました。 磯 それは光栄です。でも、『地球外少年少女』の宇宙描写に関してはかなりチャランポランなので、『プラネテス』には遠く及ばないと思っています。 幸村 いやいや、そんなことないですよ。宇宙ステーションがあんな柔らかい素材でできているなんて衝撃でした。でも、よく考えたら、インフレータブル(※1)なほうがペイロード(※2)が浮きますよね。僕にはとても想像の及ばない世界観でした。 磯 うれしいですね。今ある宇宙アニメの多くは『機動戦士ガンダム』の延長線上にある気がするので、もし少しでも違う風景

                                          • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実③ | Febri

                                            業界に入るきっかけにもなった富野由悠季総監督とも対面し、『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』に参加することになった新人演出時代の山本裕介。ここからは、自身が絵コンテ・演出を担当した話数を具体的に参照しながら、『Vガンダム』の「真実」と富野流演出術の秘密に肉薄する! ――富野監督から作画についてのダメ出しはほとんどなかったとのことでしたが、実際、多少のことは気にならないフィルムに仕上がっています。 山本 演出家には「自分の担当回を少しでもよくしたい」という欲があるんです。だからつい、ちまちまとリテイクしたくなるんですが、富野監督は「そうじゃない。TVシリーズというのは毎週きちんと放送されて、面白く見せられさえすればそれでいい。細かいリテイクなんて必要ない」と常に言っていましたね。僕の担当話数の初号試写の帰りの車の中で「あのカット、直したかったんですけど……」と話したら「そんなの直さなく

                                              山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実③ | Febri
                                            • ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実③ | Febri

                                              TVアニメ『機動戦士Vガンダム』放送開始30周年記念企画としてお届けしてきた、ウッソ・エヴィン役・阪口大助とカテジナ・ルース役・渡辺久美子によるスペシャル対談。最終回は最終話近辺の話題を中心に、ウッソとカテジナの心情をあらためて語ってもらった。そして今、ふたりが今作に対して思うことは――。 ――前回の記事の最後で「ウッソの純粋さ」を表現するために、キャリアの浅い阪口さんの声が必要だった、というお話がありましたが、そちらについてもう少し詳しく聞かせてください。 渡辺 もちろん、ウッソには純粋じゃない部分もあります。女の人に興味を持ったりだとか(笑)。でも、それも慣れたお芝居をしてしまうと「子供のくせになんだかいやらしい!」と視聴者に思われてしまうと思うんです。あれだけ子供らしいキャラだから、そういう場面でもなんだかいやらしい感じにならないんですよね。 阪口 13歳という設定の男の子は、難しい

                                                ウッソ役・阪口大助とカテジナ役・渡辺久美子が語る 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実③ | Febri
                                              • 『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと① | Febri

                                                ――まずは本作への参加の経緯から教えてください。 花田 もともとは平山さん(平山理志プロデューサー)がサンライズにいた頃、シリーズディレクターの酒井(和男)さんと3人で、フル3DCG作品の企画をゼロから作っていたんです。でも、平山さんが東映アニメーションに移られて、その企画は一度白紙に戻って。そこから東映アニメーションで新しい企画を作り直すことになったのですが「ステージで展開できる、深夜向けアニメの企画にしてほしい」というようなことを平山さんが言い出して、それはどうなんだと(笑)。これまでに近いテイストの作品をやってきていたので、正直なことをいうと、この企画が始まった当初、僕はずっと不機嫌だったんですよ(笑)。 ――うーむ(笑)。 花田 そんな経緯があって「音楽ものをやりたいなら、『バンドもの』だったらやってもいいです」といった提案をしたのをおぼえています。その話は通ったものの、平山さんか

                                                  『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと① | Febri
                                                • 『 響け!ユーフォニアム3』 戸松遥に聞いた黒江真由との向き合いかた① | Febri

                                                  ――『響け!ユーフォニアム』シリーズにはどんな印象を持っていましたか? 戸松 作品自体は第1期が始まったときから知っていて、とにかくビジュアルがとてもかわいかったので、最初はシンプルに「美少女たちが楽しく音楽をやるアニメ」だと思っていました。それも別に間違いではないんですが、見てみたら想像以上に人間ドラマの部分がリアルで、セリフも楽器の音も演奏シーンもすべてが生々しくて、痛いくらいに共感しちゃいました。かわいらしいビジュアルを超越したドラマ性に打ちのめされた感じですね。 ――たしかに「楽しければOK」みたいなノリの部活ではないですからね。 戸松 そうなんですよ。ずっと心を鷲づかみにされている感じで、胸がキューってなります(笑)。 ――ちなみに戸松さんは学生時代に部活をしていましたか? 戸松 私は中高一貫校に通っていて、ハンドベルを6年間続けていました。 ――なかなか珍しい部活ですね。 戸松

                                                    『 響け!ユーフォニアム3』 戸松遥に聞いた黒江真由との向き合いかた① | Febri
                                                  • 第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術① | Febri

                                                    ――アニメ化にあたっては、いくつもの挑戦的な演出が施されています。そのひとつとして、本編は通常よりもワイドな「シネマスコープ」(※1:2.35の縦横比)となっていますね。 神戸 これは以前からやってみたかったんですよ。映画的な雰囲気を出したかったので、コンテから画面の縦横比を意識して描いています。やってみると、やっぱり画面がグッと締まりますし、チャレンジして良かったと感じています。 ――もうひとつは、会話シーンの「背景チェンジ」です。これは監督のアイデアですか? 神戸 そうです。もともとは『君と僕。』という作品で一度だけ似たようなことをしたんです。キャラクターが心情を吐露するシーンだったんですけど、全体的にトーンが暗かったので、ふたりが電車に乗っているイメージカットを挟み込んだんです。そのときに「これは使えるかも」と思い、それからずっと温めてはいたんですけど、トライできる機会がなくて。本作

                                                      第2期決定! 監督に聞いたTVアニメ『小市民シリーズ』の演出術① | Febri
                                                    • 『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと① | Febri

                                                      ――『リコリス・リコイル』は足立さんにとって初監督作品でもありますが、どのような経緯で参加したのですか? 足立 企画自体は、僕が参加する以前からアニプレックスさん主導で動いていたみたいですよ? すでにアサウラさんのプロットがあり、そろそろ監督を探そうかということで声をかけていただきました。その時点では引き受けるかどうかは保留で、とりあえず会議に出ていろいろと意見を出していたら、そのまま流れで監督をすることになった感じですね。 ――会議に参加した時点で、世界観やキャラクターはどの程度固まっていたのでしょうか? 足立 喫茶リコリコのキャラクター5人についてはすでに設定があり、そこは名前も含めて変わっていません。逆に世界観についてはカッチリとしたものはほとんどなく、当時は「女の子で『シティーハンター』的な……」というコンセプトだったようです。表向きは喫茶店だけど、その裏では銃を片手に危険な任務に

                                                        『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと① | Febri
                                                      • 『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー① | Febri

                                                        ――ガンダムシリーズには前年の『機動戦士Vガンダム』から継続しての出演でした。 関 それでいうと『Gガンダム』のあとの『新機動戦記ガンダムW』にも出ているので、3年連続なんですよね。その後、『機動戦士ガンダムSEED』にも出ているので、僕はあの頃の『ガンダム』によく出ている男なんです(笑)。 ――たしかに。 関 でも、子供の頃は『ガンダム』にはそんなにハマっていなかったんです。どちらかというとスーパーロボット系の作品が好きだったので、『ガンダム』はちょっと難しい印象があって。だから『Gガンダム』のオーディションを受けたとき、内容がスーパーロボットっぽかったので「やった!」と思いました。「必殺技を言ってるぞ!」って。「きっと俺にぴったりだ!」とテンションが上がったまま受けたのをおぼえていますね。ただ、そんなことを感じながらも「受かるわけない」と思っていました。 ――なぜでしょう? 関 その前

                                                          『機動武闘伝Gガンダム』30周年 ドモン・カッシュ役 関 智一インタビュー① | Febri
                                                        • 異色アニメ『オッドタクシー』はこうして作られた メインスタッフ座談会① | Febri

                                                          ――SNSでの考察が盛り上がった『オッドタクシー』ですが、当初からこうしたミステリー/サスペンスもののイメージはあったのでしょうか? 木下 先に決まっていたのは動物キャラを使うことでした。僕が出した最初の企画は、大学生のほのぼのした日常を描く内容だったんです。そこから平賀さんと話していくなかで、それだとありがちだし、もっとパンチが効いた物語にしたいという意見が出て、生々しい人間模様を描く形に軌道修正していきました。 平賀 なので、最初からミステリーと決まっていたわけではなく、動物のほんわかしたデザインから受ける印象からは意外性やギャップが出るような、リアルでちょっとヒリヒリした作品にしたいと考えていました。 ――そのなかで「現代社会の闇」みたいな物語を描く発想に行き着いたのでしょうか? 木下 発端としては、冴えない主人公を描きたいと考えていました。ジャック・ニコルソンが主演の『恋愛小説家』

                                                            異色アニメ『オッドタクシー』はこうして作られた メインスタッフ座談会① | Febri
                                                          • 富山県美術館「富野由悠季の世界」展 富野由悠季×細田 守 スペシャル対談① | Febri

                                                            細田 僕は富山県出身でして、およそ40年前に富野監督の『機動戦士ガンダム』をこの土地で見ております。正確にはその前の『無敵超人ザンボット3』から見ているわけですが、この地で小学生当時から影響を受けてきました。今日は富山の子供たち、あるいはかつて子供だった皆さんを代表して、尊敬する富野監督にお話を伺いたいと思っております。 富野 新型コロナの影響で、限られた会場での公開となったことは大変残念です。でも、僕にとってとてもうれしいことも教えていただきました。この対談の観覧応募者が10歳から70歳までいたということです。それは、今回の『富野由悠季の世界』展のみならず、アニメというものが文化の一員として認められたということでもあります。サブカルチャーではなくカルチャーとなれたことをうれしく思っています。 細田 僕は福岡での展示も見ているんですが、今回の富山は会場も大きいし展示内容もたくさんあって迫力

                                                              富山県美術館「富野由悠季の世界」展 富野由悠季×細田 守 スペシャル対談① | Febri
                                                            • 第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(後編) | Febri

                                                              2024年3月15日~20日に開催された第2回新潟国際アニメーション映画祭。映画祭2日目となる3月16日、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(以下、逆襲のシャア)』がイベント上映されることを記念し、監督の富野由悠季氏とモビルスーツデザインを手がけた出渕裕氏によるトークショーが開催された。後編では、『逆襲のシャア』で描かれたシャア・アズナブルをはじめ、アニメにおける「生っぽい人間像」について掘り下げるトークが展開された。 ――『逆襲のシャア』に関して、出渕さんが今、思うことがあるそうですね。 出渕 ふたつ思っていたことがあります。ひとつは、シャア(・アズナブル)というキャラクターを再発見、再構築した作品ということです。『機動戦士Zガンダム(以下、Z)』のときに、クワトロ・バジーナという人がいたじゃないですか。あれは失敗作というか、クワトロをいい人にしちゃった。アムロ(・レイ)たちと一緒にしてお

                                                                第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(後編) | Febri
                                                              • 師匠に聞け!『機動武闘伝Gガンダム』30周年 マスター・アジア役 秋元羊介インタビュー | Febri

                                                                ――『機動武闘伝Gガンダム(以下、Gガンダム)』が放送30周年を迎えました。 秋元 この30年、だいたい毎年、何らかのかたちで『Gガンダム』関係の仕事があるんです。去年もストーカーとしてナレーションを1本録りました。あれは担当者がまだやりたがっていたから、今年も話が来るんじゃないかと(笑)。他にもゲームとか『Gガンダム』の役を演じる機会はいろいろと多いですね。 ――じつに息の長い作品ですね。 秋元 本当に。ありがたいことです。だから作品に関係する思い出も多いんです。 ――ぜひ、いろいろと聞かせてください。まず、そもそも『Gガンダム』への出演はどのように決まったのでしょう? 秋元 オーディションなどはなく、突然「今度こういう作品の仕事が入りました」と連絡をいただきました。当時はそういう、それまでの仕事のお付き合いの流れでお話をもらうことが多かったですね。最初はストーカー……つまりはナレーター

                                                                  師匠に聞け!『機動武闘伝Gガンダム』30周年 マスター・アジア役 秋元羊介インタビュー | Febri
                                                                • 原作訳者・古川日出男に聞く アニメをより楽しむための『平家物語』ガイド① | Febri

                                                                  ――現在放送中のTVアニメ『平家物語』、いかがでしたか? 古川 とても感動しました。あのオープニングアニメーションから最高ですよね。重盛が手を振って、徳子がニコッとしているだけで感動します。通しで2回見たんですけど、見るたびに理解が深まるという、そういう作品だなと思っています。 ――『平家物語』との出会いはどんなものでしたか? 古川 僕は福島出身で平家とは縁もゆかりもなく育ったので、学校とマスメディアから得る情報以外は持っていませんでした。那須与一(なすのよいち)が「ほうら、的を射た、すごいだろう!」みたいな、戦争をカッコいいと思ってしまうようなシーンが描かれた物語というイメージもあって。壇ノ浦の悲劇はわかっていましたが、それでも「勇壮な戦いのドラマ」として世間に流布していると感じていたんですよ。だから『平家物語』に肩入れしたことは、ずっとなかったんです。 ――『日本文学全集』を編むにあた

                                                                  • 『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと② | Febri

                                                                    ――前回(第1回)のインタビューからの続きとなりますが、当初、新メンバーのふたりが動き出す予定だった第4話をまるまる使って、花田さんが仁菜を説得する必要があったわけですね。 花田 第4話は安和すばるがメインのエピソードでしたが、「こいつ(仁菜)には『自分の思っていることがすべて正解じゃないんだぞ』と思わせないとダメだな……」と思いながら書いていましたね。そのあとの第5話でようやく前向きになってくれて「仁菜、お前ひとりに5話も使っちゃったよ……」というのが、そこまで書き上げたときの心の底からの感想でした。視聴者の皆さんもおっしゃっていましたけど、「メンバーが全員揃うのが第6話じゃ遅いよ!」と自分でもツッコんでいました(笑)。 ――井芹仁菜というのはそのくらい破格のキャラクターだった。書いている人ですら説得するのが大変って、よっぽどですよね。 花田 でも、吉野弘幸さんと第2話か3話まで放送した

                                                                      『ガールズバンドクライ』シリーズ構成・花田十輝が「バンドもの」で描きたかったこと② | Febri
                                                                    • 北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」② | Febri

                                                                      ――第2回では監督が絵コンテを担当したエピソードを中心に、中盤までのシリーズを振り返っていきたいのですが、まず全話を通して、モブキャラクターの配置や動かし方にこだわりを感じました。 北村 画面の空気感を重視したとき、温水たちとは別の軸で動いているキャラクターにも彼ら、彼女らの物語があるはずなので、そういう部分はちゃんと見せていこうと考えていました。すべて動かしてしまうと作画班が力尽きてしまいますけどね(苦笑)。モブが女の子同士なことが多いのは、アニメーターさんのアドリブです。コンテ段階では「カップル感が欲しい」くらいしか指示を出していないんですけど、結果的に百合要素多めな感じになりました(笑)。 ――百合好きを公言している北村監督の意図かと思っていました(笑)。また、八奈見が食べるご飯をはじめ、料理がおいしそうに見えることも印象的です。 北村 八奈見は食いしん坊なキャラクターなので、料理を

                                                                        北村翔太郎が初監督作で描きたかった『負けヒロインが多すぎる!』の「空気感」② | Febri
                                                                      • 劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』 [前編]君の列車は生存戦略 幾原邦彦監督インタビュー① | Febri

                                                                        ――2011年のTVシリーズから10周年を迎えた『輪るピングドラム(以下、ピングドラム)』が、劇場版として帰ってきました。今回のプロジェクトのきっかけはどんなものだったのでしょうか? 幾原 TVシリーズの『ピングドラム』が終わってから、もう一回サルベージできないかとずっと考えていたんです。10周年が近づいたところで、プロデューサーの池田(慎一)さんと食事をしていて、「もうすぐ10周年だけど、『ピングドラム』って(新しい展開は)ありえるだろうか?」という意見交換をしたのが最初です。この10周年というタイミングでサルベージしなければ、『ピングドラム』はTVシリーズのライブラリとして流れていってしまうという思いがありました。 ――最初から「映画にしよう」と決まっていたんですか? 幾原 いえ、最初は予算やメディアは全然決まっていなかったんです。制作スタッフや会社に向けて探るところから始まりました。

                                                                          劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』 [前編]君の列車は生存戦略 幾原邦彦監督インタビュー① | Febri
                                                                        • 菱田正和① アニメ業界に入った唯一の理由『機動戦士ガンダム』 | Febri

                                                                          サンライズ時代には数多くの男児向け作品やSF作品に参加し、フリー転向後は女児向けの長期シリーズや女性ターゲットの作品を手がけるなど、ジャンルにとらわれずに最前線で活躍を続ける菱田正和。そのルーツをたどるインタビュー連載の第1回に挙がった作品は、アニメ業界に進むきっかけとなった『機動戦士ガンダム』。 ――『機動戦士ガンダム(以下、ガンダム)』はリアルタイムで見ていたのですか? 菱田 いえ、放送当時は小学校低学年でしたが、リアルタイムでは追っていなくて、クラスでガンプラが流行ったタイミングで初めて『ガンダム』の存在を知りました。もともとそんなにアニメを見る子供ではなかったんですが、ガンプラを見たときに「モビルスーツってカッコいいな」と感じて、自分でも作ってみたいと思ったんです。ところが当時は近所のおもちゃ屋さんに行っても発売日に行列ができるくらい大流行していて、なかなか手に入らない状態だったん

                                                                            菱田正和① アニメ業界に入った唯一の理由『機動戦士ガンダム』 | Febri
                                                                          • 人気VTuber Gawr Gura(サメちゃん)世界最速INTERVIEW | Febri

                                                                            2020年初頭から英語圏での人気も急上昇し、大躍進を遂げた女性アイドルVTuberグループ「ホロライブ」。英語圏向けの新グループ「ホロライブEnglish」も始動し、メンバーのひとり、「サメちゃん」ことGawr Gura(がうる・ぐら)は、約1カ月半でYouTubeチャンネル登録者数が100万人を突破。約5カ月で200万人を突破と、次々にVTuber最速記録を更新した。Febriでは、多才で楽しくキュートな「サメちゃん」に、世界初のメールインタビューを実施。デビュー前の心境から未来の夢、日本のファンへのメッセージなどを語ってもらった。 ――ぐらさんが日本に興味を持った最初のきっかけを教えてください。音楽やゲーム、アニメなどですか? それとも何かほかのきっかけがあったのですか? ぐら 最初に興味を持つようになったのは和食、匠を感じるお弁当! それから日本のゲームね! 『初音ミク -Proje

                                                                              人気VTuber Gawr Gura(サメちゃん)世界最速INTERVIEW | Febri
                                                                            • いみぎむるが語る『リコリス・リコイル』のキャラクターデザイン① | Febri

                                                                              ――アニメのキャラクターデザインは初めてということですが、どのような経緯で参加したのですか? いみぎ ある年の冬コミ(冬のコミックマーケット)で監督の足立(慎吾)さんと偶然お会いしたのがきっかけです。まさか自分がアニメーションのキャラクターデザインをするなんて想像もしていなかったので、お誘いをいただいたときは本当に驚きました。 ――足立さんのことはもともと知っていたのですか? いみぎ もちろんです。『WORKING!!』や『ソードアート・オンライン』も大好きで、足立さんの描く「シンプルだけどかわいい」絵のイメージには、ずっと昔から影響を受けていました。 ――足立さんは、いみぎさんの絵について「自分もこんな風に描けたら」と思っていたそうです。お互いに影響を受け合っていたんですね。 いみぎ そうなんですか? それはめっちゃうれしいですし、光栄です。たしかに足立さんと本編の映像の話をすると、よく

                                                                                いみぎむるが語る『リコリス・リコイル』のキャラクターデザイン① | Febri
                                                                              • 『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと③ | Febri

                                                                                TVアニメ『リコリス・リコイル』で監督・シリーズ構成を務める足立慎吾へのインタビュー連載。第3回は、いよいよ佳境に差し掛かかるストーリーに触れつつ、作品のバックボーンに迫った。 ――このインタビューの掲載時点では第9話までが放送されている予定なのですが、千束(ちさと)の秘密が明らかになったことで、彼女の本質がようやくわかってきました。 足立 そうですか? 足立にも本質はよくわからないですよ。彼女のような立場になったことはないし、推し量ることしかできませんからね……。千束の時間はたしかに短いけど、じつは我々も同じかもしれない。明日終わっちゃうかもしれませんしね。そういう意味では、我々も千束と同じ問題を抱えているけど、気がつかないようにしているだけですよ。千束のことを考えるとき、「死」と「時間」は避けて通れなかった。さまざまな哲学的見地にも触れたし、頭がおかしくなりそうでしたよ。「人は死を考え

                                                                                  『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと③ | Febri
                                                                                • ストーリー原案・アサウラが明かす『リコリス・リコイル』の始まりと変遷① | Febri

                                                                                  ――アサウラさんは本作の立ち上げから参加しているそうですが、どのようなきっかけで企画が動き始めたのですか? アサウラ 偶然なんですけど、別作品の打ち合わせでA-1 Picturesの柏田(真一郎)プロデューサーと僕の担当編集が話す機会があったんです。その柏田プロデューサーが僕の『デスニードラウンド』という作品を読んでいて「これを書いた作家はいかれている」と思ってくれていたそうで(笑)。そんな流れで担当編集経由で僕に「企画を考えてくれ」と話がきたのが最初ですね。 ――『デスニードラウンド』は、女子高生の主人公が傭兵家業で生きていくガンアクションですね。 アサウラ そう、我ながら法律ギリギリの作品を書いてしまったなと思っていたんですけど、でもそれを読んでくれたことで声をかけていただいて、そのうえで「自由に書いてほしい」と言われたので、本当に自由にプロットを書かせてもらったんですよ。そして意気揚

                                                                                    ストーリー原案・アサウラが明かす『リコリス・リコイル』の始まりと変遷① | Febri