東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)では定期的にオープンセミナーを行い、HMCフェローの先生方の研究成果を発信しております。今回は第71回目のセミナーとなります。ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。 講演者:岩切信一郎(國學院大學大学院講師・美術史家) 企画・司会:出口智之(東京大学大学院総合文化研究科准教授) 概要 私の研究は、画家・版画家・装幀デザイナーであった「橋口五葉」への関心から始まっています。夏目漱石の一連の著書の装幀、あるいは今日、国際的に知られる「新版画」にあっても知られている訳ですが、その五葉の画業や仕事を探求する内に、背景にある明治期のデザインや印刷、時代の美術や文化の変遷へと好奇心を深めていきました。そして機会を得てまとめたのが『明治版画史』でした。今回は、文芸を商品化する上で重要な近代印刷、および文芸を包む製本・装幀、さらにこれらの変遷について具体例