『我々に豚の胎と猿の種なぞという穢れた材料は必要にあらず。天にそうあれかしと願い、全てを持ち、完璧なかたちで産まれた全能そのものである。なれど彼らは当てはまらず。』 「悪魔の眠る冷蔵庫」を持った男が悪人どもを殺しに向かう。O/Oアウターオーサカでこの頃噂のフレーズだ。 最初の犠牲はとある新興宗教団体の信徒だった。とても長い名称を持っているため省略するが「星教」という呼び名が最も短いだろう。宗教、と言っても階級や言動から「やくざ者を気取ったチンピラの集団」と言い直した方が正しい。「境界」が重視されるO/Oにおいて縄張りとプライドの誇示というものは物珍しいものではなく、該当する「星教」の支部は規模的にそこそこの集団だった。 信徒が謎の死(少なくとも他殺と断言できるものだったが)を遂げたことにより「星教」は下手人を探そうと躍起になっていた。捜索に下っ端が総動員され、そのうち一緒に探していた4人が