特集について 犬は、人類の「最良の友」とよく言われます。旧石器時代にオオカミが家畜化され、犬が誕生して以来、犬は私たちにとって最も身近な動物となりました。しかし、まだ解明しきれていない謎がたくさん残っています。 本書『犬からみた人類史』は動物心理学、遺伝学、生態学、動物行動学から、日本史、民俗学、文化人類学、さらには現役の猟師まで、23名の専門家が集い、実は奥が深い“犬と人の関係”にフォーカスをあて、新しい人類史の構築にチャレンジした一冊です。 特集では編者の大石高典先生、近藤祉秋先生、池田光穂先生に、インタビューをおこない、本書を編むきっかけから魅力まで、本書未収載の写真も交えてお答えいただきました。 ―そもそも犬から人類史を見る、とはどのような試みなのでしょうか? 犬は、人間の社会に深く入り込みながらも人ではない、という不思議な存在になっています。人間と他の動物の間にあって、トリックス