ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏による性暴力被害を受けたとして、損害賠償を求めて起こした民事訴訟の控訴審が、9月21日、東京高裁で開かれました。そこで行われた伊藤さんの意見陳述全文を掲載します。 控訴審を終えるにあたり、以下のように陳述させていただきます。 事件が起きてから、6年が過ぎました。この裁判を始めてからは約4年が経ちます。 2015年、事件当時の私は、必死でバイトで貯めたお金で海外の学校に通い、ずっと夢を見ていたジャーナリストの仕事がスタートし、毎日ワクワクしながら仕事に出かけていた25歳でした。当時はその後の20代を裁判に費やすとは想像もしていませんでした。 事件と向き合う中で、自分の身に起こったことを、司法や社会がどう判断するのかを目の当たりにしてきました。精神的に痛めつけられ、攻撃されることの繰り返しでした。しかし「真実と向き合った」とい