並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

281 - 320 件 / 570件

新着順 人気順

myBLOGの検索結果281 - 320 件 / 570件

  • 動物の鳴き声には言語的構造があった『動物たちは何をしゃべっているのか?』

    高度なコミュニケーションは、人間だけのものとされていた。 普遍的な文法を元に言葉を組み合わせ、概念や意図を正確に伝える能力は、人間以外の生物には無いものとされていた。 しかし、近年の研究により、この考えは疑わしいと感じている。 ハチのダンス(※1)やクジラの歌(※2)、体色でコミュニケートするイカ(※3)、有機物を揮発して警告するトマト(※4)など、様々な反証が得られている。人がする方法でないだけで、仲間同士、あるいは種族を超えて意思を伝え合っている。 それでも、ノーム・チョムスキーやモーテン・クリスチャンセンといった言語学者は、獣の咆哮や鳥のさえずりは単純な警告やメッセージに限定され、言語の構造や文法が存在しないと考えていた。「高度な」コミュニケートができるのは人間だけだというのである(この傾向は、言語学者に強く現れているように見える)※5。 この固定観念にトドメを指すのが、『動物たちは

      動物の鳴き声には言語的構造があった『動物たちは何をしゃべっているのか?』
    • 笑いのしくみを探る『喜劇の手法』

      笑うのは人間だけだとアリストテレスが言ったとか。 真偽ともかく、大きな口をあけて、アッハッハと哄笑するのは楽しい。いや、楽しいから笑うのか。この笑い、可笑しさ、ユーモアについて考えるのに、有用な一冊が『喜劇の手法』だ。 「人はなぜ笑うのか」という漠然とした疑問に対し、『喜劇の手法』は、喜劇を通じて笑いの仕組みに迫る。しかも、シェイクスピアやモリエール、ゴーゴリの作品から具体的な例を挙げ、劇作家たちが、どんな手法を用いて観客を笑わせるかを吟味している。 本書がすごいのは、紹介される喜劇を観ていなくても面白さが伝わるところ。技法を分類し、それぞれにおいて特徴的なシーンに焦点を当て、その背景とともに脚本を抜き出してくる。こんな風に。 だます(変装、一人二役、嘘、変身) 迷う(双生児、偶然の一致、反復、循環、逆転) 間違える(誤解、身代わり、自縄自縛、誤算) 語る(傍白、アイロニー、沈黙と間、機知

        笑いのしくみを探る『喜劇の手法』
      • 『わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる』という本を書いた

        心を揺さぶり、頭にガツンと食らわせ、世界の解像度を上げる本は、確かにある。 読前と読後で自分を一変させる、すごい本(スゴ本)だ。本から得られた知は、行動を変え、習慣を変え、人生を変える。これホント、なぜならわたしの身に起きたことだから。そんな「人生を変える運命の一冊」は、実は何冊もある。 このブログは、そうした本を中心に紹介してきた。これに加え、どのように探し、どう読み、何を得て、どんな行動につなげたかを本にした。タイトルはブログと同じ、『わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる』だ。 ここには、あなたにとっての「運命の一冊」を見つける方法を書いた。あなただけのスゴ本と出会うパーフェクトガイドだ。3行でまとめると、こんな感じ。 本を探すのではなく、人を探す方法 お財布に優しく(ここ重要)、スゴ本に出会い、見合い、結婚する方法 (良書なのは分かってるのに、なかなか読めない)運命の

          『わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる』という本を書いた
        • 『ゴースト・オブ・ツシマ』は宮本武蔵の兵法が有効だ

          以下の優先で倒す。 左奥の弓兵 真中の槍兵 右側の盾持ち まず弓兵。 こいつは距離を取り、離れたところから撃ってくる。動作モーションが見えない視覚外から攻撃することもある。撃つとき「ドーショー!」と叫ぶので避けるなり払うなりすればよいのだが、その間は立ち止まることになる。 矢のダメージはそこそこだが、当たると硬直し、敵に囲まれやすくなる。画像では三人だが、大勢で押し寄せられると本当に恐ろしい。このゲームでは、敵に囲まれる=死を意味する。 だから、弓兵を率先して倒す。直線的に向かうと的になるだけなので、迂回し、左に弧を描くようにしてダッシュして斬る。軟らかいので短時間で倒せる。 次は槍兵。 こいつは少し離れたところから突いてくる。槍の特性上、こちらの動きを制限するような突っ込み方をする。さらに、赤く光るとき、弾き不可の攻撃となるので注意が必要だ。そして当たると痛い。かなり痛い。槍兵に囲まれる

            『ゴースト・オブ・ツシマ』は宮本武蔵の兵法が有効だ
          • アルマゲドン、遊星からの物体X、ディープ・インパクト……人類の終わりを楽しむ『映画と黙示録』

            「終末もの」の映画が好きだ。 核兵器やエイリアン、天変地異によって人類滅亡の危機が迫るとき、それまでいがみ合っていた人々が団結し、科学技術を駆使して立ち向かうやつ。「世界の終わり」を楽しむ映画だ。 『映画と黙示録』(岡田温司/みすず書房)によると、こうした終末ものは、「ヨハネの黙示録」に代表されるキリスト教の終末思想が世俗化したものだという。さらに、世界を滅ぼす存在については、映画が作られた時代が色濃く反映されているという。 宇宙人、ウイルス、放射能……その時代の人々が、何に恐怖し、何を救いとしていたかを、映画は具体的に見せてくれる。 核が世界を救う たとえば、「核こそが世界を救う」という隠れテーマが面白い。 巨大な隕石が地球に向かっており、このままだと人類が危ない―――そこで核兵器を使用して、カタストロフを回避するストーリーが定番だが、1958年の『天空が燃えつきる日』を始め、『メテオ』

              アルマゲドン、遊星からの物体X、ディープ・インパクト……人類の終わりを楽しむ『映画と黙示録』
            • ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』

              たとえば天下りマネージャーがやってきて、今度のプロジェクトでバグを撲滅すると言い出す。 そのため、バグを出したプログラマやベンダーはペナルティを課すと宣言する。そして、バグ管理簿を毎週チェックし始める。 すると、期待通りバグは出てこなくなる。代わりに「インシデント管理簿」が作成され、そこで不具合の解析や改修調整をするようになる。「バグ管理簿」に記載されるのは、ドキュメントの誤字脱字など無害なものになる。天下りの馬鹿マネージャーに出て行ってもらうまで。 天下りマネージャーが馬鹿なのは、なぜバグを管理するかを理解していないからだ。 なぜバグを管理するかというと、テストが想定通り進んでいて、品質を担保されているか測るためだ。沢山テストされてるならバグは出やすいし、熟知しているプログラマならバグは出にくい(反対に、テスト項目は消化しているのに、バグが出ないと、テストの品質を疑ってみる)。バグの出具

                ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』
              • 「人はなぜ笑うのか」への最新回答『進化でわかる人間行動の事典』

                「笑い」とは何か? まず、「笑い」を定義するところから始めよう。 だが、このやり方だと行き詰まる。 古来より、賢人たちは様々な答えを用意してきた。アリストテレス「動物の中で人間だけが笑う」から、ベルクソン「機械的なこわばり」まで、さまざまな説明が試みられてきたが、遅かれ早かれ上手くいかなくなる。 このアプローチでは、笑いに関する性質を調べ上げ、人が笑う理由を探すことになる。その背後には、原因となる本質があるはずだという前提が隠れている。普遍的・不変的なエッセンスを抽出し、それにより定義づけるのだ。 すると、定義にハマらない「笑い」の扱いに困ることになる。あるいは、定義どおりなのに笑えない反証が見つかる場合が出てくる(しかも多々ある)。嫉妬心の解消(プラトン)、暗黙の優越感(ホッブズ)、不一致の解消(カント、ショーペンハウエル)などがそうだろう。 機能に着目する 本質論の行き詰まりを回避する

                  「人はなぜ笑うのか」への最新回答『進化でわかる人間行動の事典』
                • BRUTUSのホラーガイド444を使って最も怖い作品を探す

                  【自分にとって】一番怖い、最恐のホラー作品に出会える方法を紹介する。 まず、どんな話が怖い? 恨む怨霊? マスクを被った殺人鬼? 走れるゾンビ? 見ると呪われるビデオ? 暴走したAI? 全員狂っている村? 次に、どんなメディアで怖がりたい? ホラー映画? ネット怪談? 怖いマンガやアニメも沢山あるよね。心臓に悪いホラーゲームも浮かぶし、怖い話専門のYoutubeもある。 これだけホラーが満ち溢れている中で、自分に合ったメディアで、自分にとって怖いストーリーを探すのは一苦労だ。 そんなときにお薦めなのが、まず①既知の作品を取っ掛かりに人を探す。次に②その人のお薦めする未知の作品に手を出す。そうすることで、未見の最恐に出会うことができる。 BRUTUSのホラー特集を例に実践する。 2023/9/1号では、「めくるたびに怖くなるホラーガイド444」と銘打って、怖いものマニア14名が集めてきた究極

                    BRUTUSのホラーガイド444を使って最も怖い作品を探す
                  • 【2021年最新版全116種類】初心者でも超簡単!はてなブログのアイコンフォントの使い方。<i class>で表示できない方も。【コピペOK・CSSいらず】 - 30分集中のすゝめ

                    メニューや記事の中に「」こういうアイコンがあるの、見たことありますよね? これ、とっても簡単に使えるので、是非使い方を覚えてブログに彩りを加えてみてください♪ 初心者でも分かりやすい解説を心がけるので、是非最後までご覧ください! 1.アイコンフォント の使い方 使い方はとっても簡単。 記事の「HTML編集」をクリックして、アイコンを挿入したいところに <tt class="クラス名"></tt> を挿入するだけです! 「クラス名」のところにはお好きな種類のアイコンを入れます。 例えば、家のマーク「」が入れたければ <tt class="blogicon-home"></tt> とすればOKです。 クラス名は最後に一覧を載せているので、好きなものを選んでください。 2.サイズを大きくする方法 サイズが小さくて見にくい!という場合には大きくして表示するやり方があります。 クラス名の後に半角スペ

                      【2021年最新版全116種類】初心者でも超簡単!はてなブログのアイコンフォントの使い方。<i class>で表示できない方も。【コピペOK・CSSいらず】 - 30分集中のすゝめ
                    • はてなブックマーク Part5

                      0001名無しさん@お腹いっぱい。垢版2021/11/16(火) 16:28:38.83 はてなブックマーク http://b.hatena.ne.jp/ 主な代替サービス Hatebu::Classic - 見慣れたデザインのはてなブックマーク http://hatebu.net/ 嫁のはてブ http://hatebu.straightline.jp/ はてなフィルター http://hatenafilter.com/ はてブニュース http://labs.ceek.jp/hbnews/ おれのはてブ http://nonsense-defense.com/hatenafeed/ 簡易はてブ (カテゴリ別人気エントリー) http://zapanet.info/new/hatebu5/ BL Hatena Bookmark - 新着エントリ http://childs.squares

                      • 『虚数の情緒』はスゴ本

                        一言なら鈍器。二言なら前代未聞の独学書。中学の数学レベルから、電卓を片手に、虚数を軸として世界をどこまで知ることができるかを追求した一冊。 「スゴ本」とは凄い本のこと。知識や見解のみならず、思考や人生をアップデートするような凄い本を指す。ページは1000を超え、重さは1kgを超え、中味は数学物理学文学哲学野球と多岐に渡る。中高生のとき出合っていたら、間違いなく人生を変えるスゴ本になっていただろう。 ざっと見渡しても、自然数、整数、小数、有理数と無理数、無理数、素数、虚数、複素数、三角関数、指数、関数と方程式、確率、微分と積分、オイラーの公式、力学、振動、電磁気学、サイクロイド、フーリエ級数、フーコーの振り子、波動方程式、マックスウェルの方程式、シュレーディンガー方程式、相対性理論、量子力学、場の量子論を展開し、文学、音楽、天文学、哲学、野球に応用する、膨大な知識と情熱が、みっちり詰め込まれ

                          『虚数の情緒』はスゴ本
                        • 歯のあるヴァギナ、シンデレラの元ネタ、女体化する杜子春『木馬と石牛』

                          『木馬と石牛』に、歯のあるヴァギナの話がある。 昔、あるところに娘がいた。たいそう美しいと評判で、年頃になると結婚の申し込みが殺到したという。両親は幾多の男の中から一人を選び、婿に迎え入れる。 ところが、結婚の初夜、婿は帰らぬ人となってしまう。その股間は血まみれになっており、既にこと切れている。彼を埋葬するとき、陰茎が嚙み切られていることが分かる。両親は娘を問い詰め、娘の陰部に歯があることをついに知る。 両親は家の恥辱だとして、娘を朱塗りの箱に閉じ込めて、海に流す。箱は波に漂い遠く離れた海岸に流れ着く。箱を見つけた地元の人が開けようとすると、中から声が聞こえる、「開けないで」と。 好奇心を掻き立てられ、人を集めて無理やり箱を開けてしまう。中から出てきたのは、年頃の麗しい娘。人々は大いに驚き、あれこれ尋ねるが、娘は答えようとしない。どうやら空腹のようなので、皆で食事を共にする。 強い酒を飲ん

                            歯のあるヴァギナ、シンデレラの元ネタ、女体化する杜子春『木馬と石牛』
                          • amazonより書店、書店より図書館の方が優れているもの

                            それは本へのアクセシビリティ。本を手にするハードルを低い順に並べると、次の通り。 1. 図書館 2. 書店 3. amazon 図書館がいちばん簡単だ。そこに実物があるし、興味があれば手にとって傍らの椅子に座って読めばいい。時間がなければ片端から借り出してしまえばいい。コストゼロで、「その本に集中する時間」が、純粋に投資となる。どんな本が読まれているかは、張り紙や図書館のウェブサイトで確認できる。そこで、流行りのベストセラーとは別に、長く読まれている隠れた名著を見つけるかもしれない。 次は書店。「フリー戦略」なんてカコイイ用語があるみたいだが、あにはからんや、本屋は昔から実戦してきたよね、「立ち読み」で。小奇麗にパッキングして、試し読みも置かないような本屋は、その戦略を捨てているといえる。ただし、誘惑に気をつけなければならない。「レジに持っていくまで騙せたら勝ち」なんてやつだ。Popやレイ

                              amazonより書店、書店より図書館の方が優れているもの
                            • HugoとTailwind CSSで静的サイトの作成準備をする

                              概要 Hugoで静的サイトを作り始めるため、ざっくりとしたテンプレートを1から作成する。 この記事で行うこと Hugoのテンプレート作成準備 Hugo用のざっくりとしたテンプレートを作成 Tailwind CSSの使用準備(WebpackとPost CSSでビルド) 環境 { "devDependencies": { "autoprefixer": "^10.0.1", "css-loader": "^5.0.1", "postcss": "^8.1.4", "postcss-loader": "^4.0.4", "sass": "^1.29.0", "sass-loader": "^10.0.5", "style-loader": "^2.0.0", "tailwindcss": "^1.9.6", "webpack": "^5.4.0", "webpack-cli": "^4.2.0"

                                HugoとTailwind CSSで静的サイトの作成準備をする
                              • 読まずに死んだらもったいない48作品

                                「こんなに面白いのに、読んでないのは損してる」という本がある。「面白い」のところには、「タメになる」「心が洗われる」などが入る。徹夜保証の小説だったり、良く生きるための教養書だったり、完結するまで死ねない漫画だったりする。 5/8締め切りで、シミルボンの[「本とワタシ」選手権]で募集している。わたしが選考するので、楽しみでならないのだが、待ちきれなくてスゴ本オフのテーマにした。スゴ本オフとは、お薦め作品をまったり熱く語り合う読書会なのだが、まさに「読まずに死ねるか!」級の、とっておきが集まった。 まずわたしから。読書猿『アイデア大全』を強力に推す。考えるヒント集みたいな顔つきだが、今晩の献立から一生を賭すに事業学業の進め方まで、なんにでも応用できる。これは、問題解決のための人類の叡智を結集したもの。即効を謳う安直なサプリメントのような本ではない。すぐ効く本はすぐ効かなくなる。そうではなく、

                                  読まずに死んだらもったいない48作品
                                • 愛にできることがまだあるとすれば、それは、選んだ世界を引き受けること。

                                  生きていく限り、私は何らかの選択を重ね続ける。 世界は選択の結果である。 望んだ結果にならなかったとしても、私は、自分の選択を引き受けなければならない。 その選択は、たとえばどんなものがあるか? ささやかな選択(誕生日、何を贈ったら喜ばれるだろうか?)から、決定的な選択(彼女がいる世界といない世界、どちらか?)まで、さまざまな大きさの選択がある。 大きさだけでなく、時の長さもある。とっさの選択(助ける?助けない?)、何年もかかる選択(その時まで息をひそめて生きるか、何もかもかなぐり捨てて逃げるか)、これもさまざまだ。 何らかの理由により、選べないかもしれない。あるいは、選びたくないかもしれない。誰かのせいにしたり、不可抗力や運命の仕業にして、「選ばない」結果になることもある。しかし、何も選ばなかった場合、「何も選ばなかった人生を生きる」という選択をしたことになる。「選ばない」も「逃げる」含

                                    愛にできることがまだあるとすれば、それは、選んだ世界を引き受けること。
                                  • ITエンジニアこそ持ってほしい「自分を信頼する技術」

                                    自信満々のITエンジニアって、あんまり見かけない。 凄い技術を持っているだけでなく、日々切磋琢磨して高水準を保ち続けているにも関わらず、「ちょっとできます」という。優秀なエンジニアであればあるほど、謙虚に振舞う人が多く、自分に足りないものを常に意識し、努力している。 ただ、自分の不足分を意識するあまり、自信を失っている人がいることも事実だ。 どんどん新しい技術が生み出されるだけでなく、それまでの体系を一変させるようなアーキテクチャが導入され、自分が積み上げてきたものの隣に別の山脈があることに気づかされることもある。吸収するスピードが追いつかず、自信喪失している人もいる。 この自信喪失の罠は、エンジニアとして優秀で、技術習得に貪欲な人ほど陥りがちだと思う。そうでない人は、営業や、マネジメントに重心を移して、「ITエンジニア」ではない存在になる傾向がある。 そんな人の力になる言葉を紹介し、自分

                                      ITエンジニアこそ持ってほしい「自分を信頼する技術」
                                    • 人はなぜ遊ぶのか『遊びと人間』

                                      じゃんけんからサッカー、コスプレからワルツまで、古今東西、老いも若きも、人は様々な遊びを楽しんできた。「遊ぶこと」それ自体を目的とする行為を、なぜ人はするのか。 この疑問に対し、ロジェ・カイヨワが、神話や文化人類学、歴史学や社会学から解きあかしたのが『遊びと人間』だ。 「遊び」といってもその範囲は膨大だ。一人でするもの、複数でするもの、人数が決まっているものや、道具の有無、時間や場所が指定されているもの、厳密にルール化されているものから、自由度の高いものまで、つかみどころがない。 これを捌いていく手際が鮮やかだ。 まず、遊びを定義することで、外堀を埋める。つまり遊びとはこういうものなのだ。 強制されず、自由な活動 生活から隔絶され、予め決められた時空間に制限される 展開が決まっておらず、創意の工夫が残されている 富を生み出さない、非生産的な活動 ルールがあり、そのルールだけがその場で通用す

                                        人はなぜ遊ぶのか『遊びと人間』
                                      • 数学的に美しいと、科学的に正しいのか?『数学に魅せられて、科学を見失う』

                                        科学実験から得られたデータというのは、ノイズだらけで、混沌としており、それらをきれいに説明する数式やモデルを作るのは簡単ではない。 そのため、データを説明する数式の候補をいくつか検討することになる。このとき、よりシンプルに実験を説明する、美しい数式の方が、正しいような気がする(オッカムの剃刀、という言葉があるくらい)。 しかし、数学的に美しいことは、科学的に正しいことを保証しない。ひょっとすると、数学的に美しくない数式やモデルの方が、科学的には正しいのかもしれないのだ。 にもかかわらず、数学的に美しい方が科学的に正しいとする誘惑に駆られ、それに合わせて実験データの取捨選択まで手を染める科学者がいる―――現役の物理学者である著者は、そう告発する。 『数学に魅せられて、科学を見失う』は、ザビーネ・ホッセンフェルダーの初の著書となる。フランクフルト高等研究所の理論物理学者だ。ちょっと変わったタイ

                                          数学的に美しいと、科学的に正しいのか?『数学に魅せられて、科学を見失う』
                                        • 書けない悩み4人前『ライティングの哲学』

                                          書けない。 最初の一行に呻吟し、次の段落で懊悩し、そこから先が続かない。あるいは、言葉が詰まって出てこない。「これじゃない」言葉ばかり並んでいる。支離滅裂の構成で、書いても書いても終わらない。 そんな悩みを抱えた4人が集まって、お互いの「書けない」病をさらけ出す。学者、文筆家、編集者と、書くことが仕事みたいな人なのに、書けない悩みを打ち明ける。 「書けない」ことへの生々しい告白の中で、まるで私のために誂えたような手法や、まさに今、自分が実践しているやり方が紹介されている。 書かずに書く 千葉雅也さんが喝破してたこれ、まさに私が今やっている 「ファイル」→「新規作成」で、新しい白いページを表示させ、そこに一行目から書き出す……なんて執筆は、しない。そんなことすると、白いワニが来る(by 江口寿史)。 書かずに書く、って禅問答みたいだけど、言い換えるなら、「書く」というプロセスが始まった時点で

                                            書けない悩み4人前『ライティングの哲学』
                                          • オンライン読書会で何が怖いか募ったら、1位が人間、2位が自然だった

                                            お薦め本を持ち寄って、まったり熱く語り合う読書会、それが [スゴ本オフ] 。 いつもは皆で集まるのだが、世情が世情なだけに難しいので、Zoomでオフ会することになる。「オンラインでするオフ会」とは奇妙だが、主流になりつつある。 とはいってもノリは同じで、テーマを聞いてピンときたお薦めの作品への愛を語る。本でも映画でも、音楽やゲームなんでもあり、展覧会や舞台を紹介して頂いたこともあった。 で、今回のテーマはホラー。夏には少し早いけれど、現実がホラーに侵食されつつあるいま、リアルに呼応したところに反応してしまう。『呪術廻戦』から『The Last Of Us』まで、様々なホラーが集まる。 人間が一番こわい いくつかの作品に共通するのが、「生きてる人間が一番怖い」という思いだ。ゾンビや妖怪、ウイルスや獣といった類は、だいたい何をするか分かる。やってることは殺人や破壊でも、当人にしてみれば食事だっ

                                              オンライン読書会で何が怖いか募ったら、1位が人間、2位が自然だった
                                            • 「ローマ人の物語」の読みどころ【まとめ】

                                              おもしろければ、それでいい、という姿勢で読んでいる。これを教養書や歴史書として読む奴の気が知れん(→いわゆる団塊社長)。お題にもあるとおり、これは「物語」として読むのが正解。 例えば、「たら」「れば」の乱発、見てきたような断定口調、その一方で「…と思う」で終わる文章、妄想爛漫、カエサル萌え… 好き放題に書いてる ── それでも威を借るために歴史書からも引用頻々… 史家をチクりチクりと批判しながら。 つまり、往年の名著「男たちへ」で培ったシニカルな目線は、ローマという増幅装置を使って現代へ放射しているんだな ── それが団塊世代には心地よいらしい。ダンナや息子が激しく気の毒に思えるが、日本最高齢の腐女子として、がんばってくださいと、つい応援したくなる。 したがって、楽しめる読み方は、ツッコミを入れながら、塩婆がバッサリ斬った史実や書籍を拾いながらが良い。 「塩婆が言ってることはホントーか?」

                                                「ローマ人の物語」の読みどころ【まとめ】
                                              • 怖いと分かってるのに、なぜホラー映画を観るのか『感情の哲学入門講義』

                                                怖いと分かっているのに、ホラー映画が観たくなるときがある。 不可解なことが次々と起こり、その原因が見えてくるにつれ、背筋が寒くなるような展開になり、あまりの怖さに、「観なきゃよかった……」と後悔するようなやつ。 昼間なら大丈夫だろと、うっかりアマプラで『残穢――住んではいけない部屋』を観てしまい、いま後悔している(怖いというより、嫌あああってなっている。観ると部屋にいたくなくなるので、引きこもりには不適)。 怖いなら観なきゃいいのに……というツッコミに同意する。 心臓がバクバクして、イヤな汗が出てきて、呼吸もせわしなくなり、そこから逃げだしたくなる。なぜなら、「怖いもの=危険なもの、生命を脅かすもの」だから、それを避けようとするのが普通だから。 「怖いものから逃げたい、避けたい」という欲求は、本能に刷り込まれているレベルだろう。例えばヘビやライオンを怖いと思うのは、私の生命に危険があるから

                                                  怖いと分かってるのに、なぜホラー映画を観るのか『感情の哲学入門講義』
                                                • 「人はなぜ笑うのか」への最新回答『進化でわかる人間行動の事典』

                                                  「笑い」とは何か? まず、「笑い」を定義するところから始めよう。 だが、このやり方だと行き詰まる。 古来より、賢人たちは様々な答えを用意してきた。アリストテレス「動物の中で人間だけが笑う」から、ベルクソン「機械的なこわばり」まで、さまざまな説明が試みられてきたが、遅かれ早かれ上手くいかなくなる。 このアプローチでは、笑いに関する性質を調べ上げ、人が笑う理由を探すことになる。その背後には、原因となる本質があるはずだという前提が隠れている。普遍的・不変的なエッセンスを抽出し、それにより定義づけるのだ。 すると、定義にハマらない「笑い」の扱いに困ることになる。あるいは、定義どおりなのに笑えない反証が見つかる場合が出てくる(しかも多々ある)。嫉妬心の解消(プラトン)、暗黙の優越感(ホッブズ)、不一致の解消(カント、ショーペンハウエル)などがそうだろう。 機能に着目する 本質論の行き詰まりを回避する

                                                    「人はなぜ笑うのか」への最新回答『進化でわかる人間行動の事典』
                                                  • 「驚きたい」という欲望を満足させる『驚異と怪異』

                                                    不思議な生きものや、奇妙な出来事が好きだ。 未知の怪異に触れ、驚きたいという欲望が、わたしの中にあるのかもしれない。 異形や怪異を追いかけるうちに、自分の知っていることとのつながりが見えてくる。未知の中の既知に気づく瞬間、知的興奮はMAXとなり、肌が粟立つ。1000年前の伝説と、今年観た映画がつながるとき、人の想像性や認知の境界を撫でているような感覚に陥る。 想像界の生きものたち 『驚異と怪異』は、これを想像界の生きものでやったものだ。元は国立民族学博物館の特別展で、古今東西の想像上の異径のいきものを集成したものだ。 たとえば、「人魚」が面白い。人魚のミイラが出てくるのだが、これは江戸時代の見世物だった。上半身が猿で、下半身が魚の干物を接合させた作り物である。童話に出てくるマーメイドとは異なり、グロテスクで異様な姿をしているが、見るだけで運気が上がり、吉兆とされる妖怪だ[ググるとグロいで]

                                                      「驚きたい」という欲望を満足させる『驚異と怪異』
                                                    • これから読む徹夜小説

                                                      はてな「徹夜するほど面白かった小説を教えてください」[参照]のエントリからピックアップして、一作家一作品でリスティング。続けて読むと睡眠時間がゼロになってしまい、生活に支障をきたす(かもしれない)ので注意しながら読むつもり。 た・の・し・み ~ (^^ アドバイスいただいた皆さまに大感謝。はてなポイントじゃ足りないぐらい ■これから読む徹夜小説 永遠の仔(天童荒太) 第六大陸(小川 一水) ガダラの豚(中島らも) 傭兵ピエール(佐藤賢一) ゼウスガーデン衰亡史(小林恭二) 魔術師(J.ファウルズ) 北壁の死闘(ボブ・ラングレー) イヤー・オブ・ミート(ルース.L.オゼキ) スワン・ソング(ロバート.R.マキャモン) シャドウ・ダイバー(ロバート・カーソン) カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)米川正夫訳 /岩波文庫版 ■徹夜を覚悟・徹夜した小説 火車(宮部みゆき)某弁護士事務所では、新人

                                                        これから読む徹夜小説
                                                      • ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読むという異様な体験をした

                                                        ピンチョンの没入型小説。 相変わらず異様だ。めり込むように読む。どれだけ異様かというと、主な登場人物を見ると分かる。主役はマキシーン・ターノウ。

                                                          ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読むという異様な体験をした
                                                        • AWS Route53でドメインを取得してLightsailで構築したWordPressをドメイン名でアクセスできるようにする - Qiita

                                                          はじめに WS Route53でドメインを取得してLightsailで構築したWordPressをドメイン名でアクセスできるようにします。ここの続きです。AWSはこちら。 はじめに WS Route53でドメインを取得してLightsailで構築したWordPressをドメイン名でアクセスできるようにします。ここの続きです。AWSはこちら。 ドメインの取得 まずはドメインを取得します。 AWSのコンソールにログインして「Route 53」を選択します。 「登録済みドメイン」の「ドメインの登録」をクリックします。 自分が使いたいドメインを入力して、ステータスが利用可能なものを選択して「カートに入れる」をクリックします。ドメイン名によって値段が変わります。 カートに入れることができたら、「続行」をクリックします。 続いて、連絡先の情報を入力していきます。 続いて、連絡先の詳細確認します。ドメイ

                                                            AWS Route53でドメインを取得してLightsailで構築したWordPressをドメイン名でアクセスできるようにする - Qiita
                                                          • ピンチョン『ブリーディング・エッジ』読書会が楽しすぎて時が溶けた

                                                            ありのまま、起こったことを話すと、読書会が始まったかと思ったら、いつのまにか終わってた。何を言ってるのか分からないかもしれないが、私も何が起きたのか分からない。 トマス・ピンチョンの最新作『ブリーディング・エッジ』のオンライン読書会に参加したら、時間が溶けた。みなさんのオリジナルな斬り口、読者目線、ネタ、面白解釈、論争発火点を次々と聞いているうちに、あっという間に4時間が過ぎた。 ウェブで死者と出会う意味 もちろんピンチョンだから、どこをどう料理しても面白い。 百科全書な小説で、神話や歴史から始まって文学、数学、物理学、暴力と陰謀とパラノイア、都市伝説と幻想怪奇、洒落と地口、メタフィクション、セルフパロディなど、いくらでも、どれだけでも話せる。 たとえば誰かが「ここ良いよねー」と言うと、皆でふむふむと読み直しながら、あーでもない、こーでもないと同意したりツッコんだり。オンラインだから各人の

                                                              ピンチョン『ブリーディング・エッジ』読書会が楽しすぎて時が溶けた
                                                            • CSR活動におけるKGI/KPIマネジメントの課題点

                                                              サステナビリティ・コンサルタント安藤光展のブログ。毎週サステナビリティ/ESG経営についての記事を更新しています。 御社では、CSR活動のKGI/KPIはどのように設定しているでしょうか。流れで昨年のKPIを何の疑いもなく今年もKPIとしてはいないでしょうか。今回はそのKPIの課題についてまとまめます。 KPI設定は難しくて、間違えると外部不経済や論理矛盾を生み出しかねません。CSRだけではなく、CSV/ESG/SDGsなどの分野でも重要な考え方です。 しかし、第三者の検証もほぼなく、特にCSR先進企業ほど成果を可視化しやすいKPIを選びがちです。(どこも自社の弱い部分は開示したくないから) ですので、実は理想的なKGI/KPIを見つけられるのは、偶然にも近い話なのです。 マネジメントプロセス まずは、CSR/サステナビリティ推進活動を行う時に、以下のような大きなフェーズで考える必要があり

                                                                CSR活動におけるKGI/KPIマネジメントの課題点
                                                              • テーマを使わず、hugoでサイトを作る

                                                                テーマを使わず、hugoでサイトを作る 調べた事などアウトプットしたいと思いブログを始めることにしました. hugoを選んだのは,以前さわったことがあるのと,静的サイトジェネレータの中でも高速でストレスが少ないため. 最近は,jsの勢いがすごいので,Next.jsやGatsby,Nuxtあたりも候補になると思う. 手軽に始めるなら,このページに書いている内容よりも,無料のthemes(テーマ)を使った方が早いです. ただ,ちょっと手を加えようとすると以外と難しかったりする. 今回は,hugoを使って,小さなサイトを作ってみます. 記事ファイルの管理は,markdownです. なお,hugoでサイトを作る方法はいろいろありますが,その中の1つです. 公式のドキュメントが詳しいので,目を通しておくといいです. 環境 macOS catalina hugo v0.74.3 hugoの環境構築コマ

                                                                • 「哲学に答えは無い」という誤答

                                                                  「哲学に答えは無い」という発言を目にする。 哲学者は、何千年も似たような問答を繰り返し、さまざまな理論を打ち立ててきた。だが、完全無欠の真実にたどり着いた理論もないし、完璧に誤りであると否定される理論もない、という主張だ。わたしもそう考えたことがある。しかし、哲学するようになって、この主張は浅く、一面的であることが分かった。 わたしたちは、様々な問題に向き合うが、以下のような問題は、哲学の範疇外になる。 調べれば分かること(すでに誰かが解いた問題) 人・カネ・時間など、リソースがあれば解ける問題 今までのやり方で解けそうな問題 しかし、調べれば分かることでも、分かったことで見解や評価が対立する場合がある。または、調べ方が分かっていることでも、「それは本当なのか」と疑わしい点が出てくることがある。さらに、今までのやり方では行き詰まり、そもそも、その問いの立て方は正しいのか? と問題の定義に疑

                                                                    「哲学に答えは無い」という誤答
                                                                  • HTML/CSS|はてなブログのアイコン素材の使い方についての考察 - くろネコのんびりブログ

                                                                    はてなブログでは、122種類のアイコン素材がデフォルトでCSSに用意されており、いつでも使うことができます。 すでに多くの方がその種類や使い方について記事をまとめておられますが、さらに理解を深めるため改めて調べてみることにしました。 くろネコなりの考察も入れておきますので、備忘録としてまとめておきます。 アイコン素材一覧 アイコン素材の仕組み HTML CSS アイコン素材を活用するために pタグに指定しても使える アイコンのデザインが影響する 自分でCSSを用意する 文章中に差し込むとき まとめ スポンサーリンク アイコン素材一覧 まずは、はてなブログにデフォルトで使えるアイコン素材の一覧を掲載しておきます。 No アイコン クラス名 コード 1 blogicon-hatenablog "\f000" 2 blogicon-plus "\f001" 3 blogicon-minus "\

                                                                      HTML/CSS|はてなブログのアイコン素材の使い方についての考察 - くろネコのんびりブログ
                                                                    • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月

                                                                      世界史を学びなおす最適な入門書から、歴史をメタに語る一冊まで、徹底的に熱く語り合った2時間をまとめた。 前編はこちら youtube動画はこちら 世界をバズらせる スケザネ:「書かれたものが世界を変える」という観点だと、これにつながりそう。『「世界文学」はつくられる:1827-2020』(秋草俊一郎、東京大学出版会)という本で、「世界文学」という概念がどのように作られ、変わっていったかがテーマです。以前の対談でも話題になってたやつです。 そこに、ゴーリキーの世界文学叢書が出てきます。ソビエト連邦という国家が誕生し、当代一流の世界文学を集めて出版しようという話になった。実はここに、政治的な動機がありました。 ロシア文学だけでなく、世界各国の言語から優れた作品を選び取り、なおかつ全集として出せるというのは、それだけロシアが文化的に先進的だという政治的なメッセージになるのです。国や言語を越境して

                                                                        わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月
                                                                      • 物語のタネ本:ジョーゼフ・キャンベル『神話と女神』

                                                                        『スター・ウォーズ』の物語構造は、ジョーゼフ・キャンベルの英雄伝説を元にしていることは有名だが、本書は、その女神版だ。つまり、『千の顔をもつ英雄』が古今東西の英雄譚から人の普遍的欲求を炙り出したことを、女神でやったのが『女神と神話』である。 『千の顔をもつ英雄』は、神話・伝承に共通する基本構造として、このダイアグラムが紹介される。いわゆる「行きて帰りし物語」やね。この構造は、時代や地域を超えた恒常性を持ち、それはすなわち、人の最深層に秘められた記録だという。 『千の顔をもつ英雄』第一部 第四章「鍵」より いっぽう、『神話と女神』では、「女神・男神」の対比構造で紹介する。遺物やシンボルから導かれる「農耕民の女神:遊牧民の男神」という歴史から、「産む女神:殺す男神」という視点をつくり、これに沿った形で神話・伝承を紹介していく。 この比較構造から、物語のシナリオについてのヒントや、本能に近い欲求

                                                                          物語のタネ本:ジョーゼフ・キャンベル『神話と女神』
                                                                        • 「顧客が本当に必要だったもの」を開発前に知るために『リーン顧客開発』

                                                                          若手がチームに入るとき、私が必ず見せるのが、これだ。 顧客が本当に必要だったもの 出典 arison.jp それぞれの立場によって、「作るべきもの」が変わってしまうことを、面白可笑しく描いている。ベテランなら「あるあるw」と笑うだろうし、新人なら「まさか!?」と驚くかもしれないが、本当だ。 この絵で重要なのは、「顧客が欲しがったもの(要件)」が最初のコマに描かれており、「顧客が本当に必要だったもの」が最後のコマである点だ。 「顧客が本当に必要だったもの」は、「顧客が説明した要件」ではない。プロジェクトリーダーの理解とも違う。設計とも、コードとも、ましてや、出来上がったものとは似ても似つかない。だが、実際にプロジェクトを動かし、試行と錯誤と怒号と違約金を経て、ようやく「顧客が本当に必要だったもの」が明らかになっている。 顧客が欲しがっているものと、顧客が本当に必要なものは違うのだ。 19世紀

                                                                            「顧客が本当に必要だったもの」を開発前に知るために『リーン顧客開発』
                                                                          • x1 carbon (6th gen)にLinuxをインストールしてWWANを使う – 日々の記録簿

                                                                            Thinkpad X1 carbon (6th gen)のWWAN(Fibocom L850-GL)はLinuxでは動作しない。しかし、最近この問題がクリアされたようである。例によってソースはArch Wiki。要は、 L850-GをSierra Wireless EM73xx/EM74xx modemに載せ替えれば動くということらしい。以下いろいろメモ。 EM7455はAmazonなどで入手可能。とは言え、そのままではいろいろ問題があって使えない。たとえば、BIOSで「unauthorized netowork card」が挿入されているとエラーがでて起動しないとか、起動してもネットワークを掴まないとかである。ただ先人たちは、この問題もクリアしたようだ。 解決策がこちらのサイトとこちらのサイトにある。要はいったんThinkpadを起動した後に裏蓋を開けてmodemをL850-GからEM7

                                                                            • アルキメデスの大戦 - anttiorbの映画、映像の世界

                                                                              2019年作品、山崎貴監督、菅田将暉 柄本佑 浜辺美波 笑福亭鶴瓶出演。 1933(昭和8)年。 日本は欧米列強との対立を深め、軍拡路線を進み始める。 海軍省は秘密裏に世界最大の戦艦・大和の建造を計画。 海軍少将・山本五十六(舘ひろし)はこれからの戦いに必要なのは航空母艦だと進言したものの、世界に誇れる壮大さこそ必要だと考える上層部は、戦艦大和の建造を支持。巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いか算出し、その裏に隠された不正を暴くことで計画を打ち崩そうと考えた山本は、軍部の息がかかっていない協力者として、100年に1人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直(菅田将暉)に目をつけた。 数学を偏愛し大の軍隊嫌いという一筋縄ではいかない変わり者の櫂は頑なに協力を拒んでいたものの、巨大戦艦を建造すればその力を過信した日本は必ず戦争を始めるという山本の言葉に動かされる。 戦艦に関する一切の情報は

                                                                                アルキメデスの大戦 - anttiorbの映画、映像の世界
                                                                              • 幻の名著「キミにもできるスーパーエリートの受験術」を読む

                                                                                幻の受験本「キミにもできるスーパーエリートの受験術」を読んだ。amazonでは常に品切れ、ときどきYahooオークションで出品されるものの、目のタマが飛び出るような価格がついている(確認した限りでは6万円 !! もちろんそんな金なんて出せるはずもない。わたしが入手した方法は末尾で明かす)。 結論から言うと、たしかにスゴい本だ。これを知っているのと知らないのとでは、大きく違うかも。大学受験をターゲットとしており、日本で受けるあらゆる「試験」に効くだろう。タイトルがアレだけれども、「エリート」向けではないなぁ… むしろフツーの学生さんがうっかり手にすると「賢者の書」あるいは「魔道の書」になりかねない。1994年に出ているが、長い間幻の名著とされていたのも頷ける。 ―― ただし、「ドラゴン桜」まで。そのものじゃねーか、と何度ツッコんだことか。てっきり、「ドラゴン桜」の種本は「『親力』で決まる !

                                                                                  幻の名著「キミにもできるスーパーエリートの受験術」を読む
                                                                                • Role Based Access Control Design For MicroServices

                                                                                  This article extends the principles and design of API gateway discussed in the article here API Gateway. RBAC stands for Role Based Access Control. Its an approach to restricting system access to authorized users by using a set of permissions and grants. This approach intends to make the governance of controls between users, vendors and customers efficient. The model is built on a hierarchical rel