生成AIという大きな追い風が吹くソフトウェア業界。今後の業界全体の収益性を予測するとともに、群雄割拠の業界で高い競争優位性を持つ19社を紹介する。
2019年6月に日本で開かれたG20(20カ国・地域)財務相会議において、新たな国際法人課税の基本方針に関する合意が得られ、2020年までの実現を目指すことになりました。これは国境を越えて活動する企業に対し、どのような場合に国家が課税できるかという「国際法人課税ルール」の、約1世紀ぶりの改変に当たります。その背景には、GAFAらデジタル・プラットフォーマーに対する課税が、伝統的な税体系の下では適切に行われておらず、企業間あるいは国家間で不公正感が生じているのではという懸念があります。本稿ではその対処策となる「デジタル法人課税」について解説します。 東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 担当部長 東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事 中小企業診断士、PMP(Project Management Professional) 1990年3月 早稲田大学大学院
ネットワーク・セキュリティの世界では「DMZ」と呼ばれる特別なネットワーク領域が作られることがあります。これは、ネットワークに接続する大切な情報や端末を守るために設けられる「緩衝領域」の役割を果たします。DMZはどのように構築でき、どんな機能を持つのか、またどんな使われ方をするのか。DMZの基本的な仕組みをやさしく解説していきます。 合同会社Noteip代表。ライター。米国の大学でコンピューターサイエンスを専攻し、卒業後は国内の一部上場企業でIT関連製品の企画・マーケティングなどに従事。退職後はライターとして書籍や記事の執筆、WEBコンテンツの制作に関わっている。人工知能の他に科学・IT・軍事・医療関連のトピックを扱っており、研究機関・大学における研究支援活動も行っている。著書『近未来のコア・テクノロジー(翔泳社)』『図解これだけは知っておきたいAIビジネス入門(成美堂)』、執筆協力『マン
DXで成果が出ている企業は現状でも2割未満 「DXの重要性はすでに広く知られ、多くの企業で取り組みは活発化しています。ただし、具体的な施策においては、実は成果はほとんど見られないのが実態です」 こう話すのは、ITRの会長でエグゼクティブ・アナリストを務める内山悟志氏である。 そのことはITRの『IT投資動向調査2022』でも確認できる。同調査ではDX施策として16項目を設定し、それらの進捗度について尋ねているが、「進行中・完了しており成果も出ている」との回答は全項目で2割未満だ。 また、2019年からのDX環境整備の成熟度(意思、組織、人材、制度、権限)における定点観測でも、レベル5(定着)とレベル4(浸透)に達する企業は2割を少し超える程度で、7割がレベル1(初期)からレベル3(部分的整備)にある。レベル5とレベル4の割合も前年とほほ変わらない。 DXへの機運は盛り上がりながら、なぜ成果
マーケットの波に振られてきたネット証券の20年 ネット証券の世界に限定して話をします。我々は1999年の6月にサービスを開始して、今年ちょうど20年です。この20年は波乱万丈でした。 楽天証券は、1999年10月1日の株式委託手数料自由化、そこを目指して立ち上がった企業の1つです。そこに“ITバブル”の風が吹いて、年末にかけて非常に盛り上がり、素晴らしいスタートを切ることができました。 ところが、2000年に入ってITバブルが崩壊しました。お客さまがなかなか入ってきづらくなって、ネット証券会社はどこも非常に苦労していました。 そうした中でなぜ救われたのかというと、当時の小泉政権、竹中金融担当大臣による“りそなショック”対応です。経営難にあえいでいたりそな銀行に公的資金が投入され、救済されました。あの一件で、日本は経営難になった金融機関を救済するのだという安心感が広がり、マーケットが復活。ネ
金融の周辺サービスから飛び出した「フィンテック」 フィンテックの始まりは金融の周辺サービスに過ぎませんでしたが、いまや、あらゆる領域においてフィンテックが浸透してきています。また、株式市場に上場するフィンテック企業も増えています。 2015年6月にスペインの大手銀行SantanderのCVCであるSantander Innoventuresが発表したレポート“The Fintech 2.0 Paper: rebooting financial services”では、「金融のコアインフラストラクチャとプロセスを改革するためには、フィンテックを内部に取り込む必要がある」という提言がなされました。 現在、銀行を始めとする多くの従来の金融機関がフィンテックとの協働を積極的に進めています。金融機関とフィンテックとの資本業務提携や、フィンテック子会社を設立するケースも相次ぎ、前述のレポート中の“Fi
サービス設計に役立つガイドライン「NIST SP800-63B」とは 楠氏が、「サービス設計の参考にして欲しい」と話すガイドラインが、2017年6月に、米国の国立標準技術研究所(NIST)で発表された、デジタル認証に関するガイドライン(Digital Identity Guidelines)の最新版「NIST SP 800-63-3」である。 日本語翻訳版も公開されており、「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」など国内基準にも影響を与えている。 たとえば、ID認証とライフサイクル管理について定めたのが「SP 800-63B」だ。 前述したSMS認証については、セキュリティの弱点があることから、「異常な振る舞い」のようなリスク指標を考慮すべきだとされ、ドラフト段階では多要素認証として「認めない」とされていた。 「NIST SP800-63B」のポイント 楠氏は
昨今、「RPA(Robotic Process Automation)」というキーワードもかなり浸透してきたが、実際に企業のRPAの業務への適用範囲を見てみると、RPAが本来担うべき役割よりも狭い領域で活用されている実情がある。こうした点を踏まえ、ここでは国内中堅・中小企業への聞き取り調査のデータを交えながら、RPAの利点を十分に享受するために留意すべきポイントを解説したい。 ノークリサーチ シニアアナリスト 博士(工学) 早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは多方面で培った経験を生かし、リサーチ/コンサル/執筆・講演など幅広い分野を担当。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。
年々上がるテック人材獲得の難易度 英語圏、欧米のメディアでは「talent shortage(人材不足)」という言葉がこの数年ビジネス上の大きな課題として取り上げられているが、いまだ改善の兆候はみられない。 国際的な人材会社マンパワーグループがこのほど発表した最新調査(2022年版)では、人材不足はむしろ悪化していることが明らかになっている。この調査は、40カ国・地域の企業4万社以上から聞き取りを行ったもので、グローバル市場の現状が反映されたものだ。 調査対象となった企業のうち、人材を見つけることが難しいと回答した企業の割合が75%に上り、この16年で最高値を記録したことが判明した。この割合、2009年は30%にとどまるものだったが、2015年に38%、2018年に45%、2019年に54%、そして2021年に69%、2022年には75%と上昇が止まらない状況となっている。 どの分野の人材
電波オークションに4社が参加 日本ではあまり知られていないが、インドで5G市場の主導権をめぐって競い合っている企業が2社ある。1社は、インド3大財閥の一角リライアンス傘下の通信会社Jio。もう1社は、通信大手のバーティ・エアテル(Bharti Airtel)だ。 直近では、Jioが5Gネットワークの拡大に向けて250億ドルを投じる計画を発表。2023年までに、すべての街で5Gを利用できるようにすることが目標であると公言している。 一方、バーティ・エアテルも2022年9月末には5Gサービスを開始する計画。2024年までにすべての街と主要な郊外地区での5Gサービスの展開を目指す。 5Gをめぐっては、これら2社に加え、ボーダフォン・アイデアとアダニ・グループも電波オークションに参加しており、計4社が競う形となっている。 インドの通信市場シェア、トップは4億人以上 2022年7月にインド電気通信規
スペイン代表とグループステージ最終戦を戦い見事勝利した日本だが、MF田中碧の決勝弾を演出したMF三笘 薫のアシストはVARがなければ幻だったかもしれない 日本が「足を向けて寝られない」VAR判定 サッカー日本代表は12月1日、FIFAワールドカップカタール2022の決勝トーナメント出場をかけて、スペイン代表とグループステージ最終戦を戦い、2対1で見事勝利した。勝利後も各国で論争が耐えないのが、MF田中碧の決勝弾を演出したMF三笘 薫のアシストだ。 Other cameras may offer misleading images but on the evidence available, the whole of the ball was not out of play. pic.twitter.com/HKKEot0j1Y — FIFA.com (@FIFAcom) December
世界で最も商業的成功を収めたキャラクターとも言われる「ポケモン」が、一時期、日本市場において人気・売上の点で勝つことができないキャラクターがあった。それが「妖怪ウォッチ」だ。爆発的ヒットの理由を探ると、妖怪ウォッチの生みの親・LEVEL5(レベルファイブ)社による、小学館・バンダイ・東宝などを巻き込んだ戦略があった。今回は、妖怪ウォッチやイナズマイレブンなどをヒットさせたレベルファイブの戦略を解説する。 東京大学大学院修了(社会学専攻)。カナダのMcGill大学MBA修了。リクルートスタッフィング、DeNA、デロイトトーマツコンサルティングを経て、バンダイナムコスタジオでカナダ、マレーシアにてゲーム開発会社・アート会社を新規設立。2016年からブシロードインターナショナル社長としてシンガポールに駐在し、日本コンテンツ(カードゲーム、アニメ、ゲーム、プロレス、音楽、イベント)の海外展開を担当
今話題となっているChatGPTがリリースされたのは、2022年11月のこと。このとき、グーグル社内では、ChatGPTが同社のビジネスにとって脅威になるのではないかとの懸念の声が社員から多数あがっていた。しかし、ピチャイCEOを含む経営陣は、AIの性急なリリースは、風評被害につながるとして慎重な姿勢を見せていた。しかし、社内だけでなく投資家からのプレッシャーが強まる中、グーグル経営陣がついにAIプロダクト「Bard」のリリースを決定したものの、その出だしにつまずき、科学者らが誤りを多数指摘するなど炎上模様。同社親会社のアルファベット株価は大幅な下落に見舞われている。ChatGPTとBardは何が違うのか。グーグルはどのようなAIで対抗しようとしているのか、最新の動きをまとめてみたい。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では
新型コロナウイルス感染拡大の影響により急速に普及したリモートワークだが、リモートワーク特有の課題に直面する企業は少なくない。たとえば、「外部からのVPN経由のアクセスでは同時接続数の制限によって十分なパフォーマンスが出ない」、「社内ネットワーク内外に端末が点在するためエンドポイントの監視が難しい」などだ。在宅勤務下におけるエンドポイントセキュリティや情報管理ルールについて、ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)システム本部セキュリティ部 部長の茂岩 祐樹氏に語ってもらった。 「VPN」はリモートワーク以前の常識? 企業のIT利用で重要なポイントの1つが情報セキュリティだ。自社の機密情報はもちろん、顧客情報やユーザーの個人情報など、あらゆる情報を扱う企業はセキュリティ対策の強化が求められている。 こうした企業は多くの場合、社内ネットワークと外部境界の間にファイアウォールを設置したり、社員個人の
日頃、仕事でExcelを使うにあたって、操作ミスやケアレスミスをした経験は誰にでもあるでしょう。それは自分の注意力が足りなかったことだけが原因ではありません。Excelの効果的な使い方を知らなかったからです。Excelにはさまざまな便利な機能が備わっていますが、実は「ミスを招きやすいもの」があることを、ご存じでしょうか? 今回は、そのような「使ってはいけない機能」の中から2つを紹介します。このルールを守れば、確実にミスが減るはずです。(Excel「厳選ショートカットキー」一覧PDFも提供中) 藤井 直弥(ふじい・なおや) Excel研修講師。業務改善コンサルタント。研修やセミナーの受講生は延べ一万人を超える。研修の主たるテーマは「多くの人が日々の直面している日常の業務を、いかに効率よく、そしてミスなく遂行するか」といった業務改善策の提案。そのための実践ノウハウや、Excelを用いたビジネス
「アニメや漫画のキャラクターではないけど、国民的と言えるほど認知度の高いキャラクター」──。それが『初音ミク』だ。2007年に音楽合成ソフト(およびソフト上のキャラクター)として登場し、その後、動画配信サービス『ニコニコ動画』上で、ネット民の”象徴”とも言える存在になっていった。なぜ、これほど人々を惹きつけるのだろうか。今回は、『初音ミク』のヒットを語る上では欠かせない『ニコニコ動画』の果たした役割、初音ミクが熱狂を生む理由、さらには初音ミクというコンテンツが生み出した経済圏の規模について解説したい。 東京大学大学院修了(社会学専攻)。カナダのMcGill大学MBA修了。リクルートスタッフィング、DeNA、デロイトトーマツコンサルティングを経て、バンダイナムコスタジオでカナダ、マレーシアにてゲーム開発会社・アート会社を新規設立。2016年からブシロードインターナショナル社長としてシンガポー
企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める中、リモートワークによるユーザーの移動や、クラウド利用拡大によるデータの移動量が増え、新しい脅威環境が広がっている。何が起こるか分からないデジタル時代に、セキュリティ担当者がさらなる注意を払わなければならないポイントが「内部不正対策」だ。Microsoft 365などの実例を用いつつ、EDRM、DLP、CASBなどによる権限管理の実践方法をガートナーのディレクター,アナリスト、矢野薫氏が解説した。 従来の内部不正対策と課題 2020年のコロナ禍、企業のリモートワーク対応が急がれた中、内部不正対策のプライオリティは一時的に下がった。しかしそこから2年経ったいま、従業員は少しずつオフィスへ戻り、オフィスとリモートを使い分けるハイブリッドワークの状態へ移行しつつある。 「内部不正対策と一口に言っても、そのカバーする範囲は広いです。デジタル化の
GAFAMなどのテック大手で、ジェネレーティブAI(生成AI)の開発と活用が急ピッチで進んでいる。この流れが波及しているのが、コンサルティングや法務・財務・税務などいわゆるプロフェッショナル企業だ。とある外資コンサルに勤める人に取材したところ「ChatGPTが我々の仕事を奪っている。いずれコンサル不要になるかもしれない」と危機感をあらわにする声もある。PwC、デロイト、JPモルガン・チェースの事例を中心に、プロフェッショナル企業での生成AIに関する取り組み動向を見てみよう。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げ
2022年に入って、Windows 11のWindows Updateによる段階的な配布対象が広がってきているようです。筆者のメインのPCにも1月末に「Windows 11へのアップグレードの準備ができました-しかも無料です!」の通知が来ました。これは自動更新ではなく、ユーザーによる「ダウンロードしてインストール」のクリックで始まるアップグレードです。急いでアップグレードする前に注意するべきこと、準備するべきことを紹介していきます。 IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft
1万人を超えた上場企業の「希望・早期退職」 ビジネス環境の変化が激しく、人口減少社会に突入した日本では、どの企業にも「新規事業」や「イノベーション」が必要である。一方、有能な人材の採用は困難であり、多様性を確保することができない状況が続いている。足元では、次世代ビジネスへの構造変化や人材確保に備えるべく、従業員数の削減をしているという企業が増えている状況だ。 たとえば、東京商工リサーチがこの10月に発表した「2019年 上場企業『希望・早期退職』実施状況」によると、2019年1~9月に希望・早期退職者を募集した上場企業は27社に達し、対象人数は1万342人と、6年ぶりに1万人を超えたという。 「上場企業の希望、早期退職実施社数」はすでに2018年(1~12月)の12社を大幅に上回って2014年の32社に迫り、人数も2010年(同)の1万2223人を超える勢いだ。業種別では、業績不振が目立つ
2009年にブロックチェーンの概念が初めて世に登場して、10年が経過した。今後大きな発展の可能性があるブロックチェーンだが、かつてのインターネットほどの進展はまだ見せていないように見える。「Interop Tokyo 2019」にブロックチェーン技術のオープンな国際産学連携グループ「BASEアライアンス」のメンバーが登壇。、慶應義塾大学の村井純氏を含むメンバーが、ブロックチェーンがさらに発展するためにはどんな課題があるのか、またインターネットで培われたことがその課題にどう生かされるのかなど意見を交わした。 インターネットが生み出した次ステップのインフラ 「Interop Tokyo 2019」に登壇したのは、慶應義塾大学 環境情報学部教授 大学院政策・メディア研究科委員長 慶應義塾大学SFC研究所ブロックチェーン・ラボ代表の村井 純氏、東京大学 生産技術研究所 教授の松浦 幹太氏、セルビア
企業にとってID運用は頭の痛い課題だ。毎日のように報じられるパスワードの漏えいからもわかるとおり、ID運用のリスクは高まっている。「パスワード漏えいを前提としながらID管理と向き合っていかなければならない」と力説するのは、Japan Digital Designの楠 正憲氏だ。同氏は多様化する端末環境に合わせた安全なIDの構築方法や最近のトレンド、課題など、クラウド、キャッシュレス時代に求められるID技術について解説した。 ID漏えいは「サービス撤退」の危機 クラウドをはじめとするテクノロジーの普及、進展に伴い、「IDの堅牢さ」がクローズアップされている。周知のとおり、キャッシュレス決済をはじめあらゆるWebサービスは堅牢なID管理とその認証なしには成り立たないからだ。 ID管理やサービス認証の益々重要になる一方、「IDとパスワード」などの認証情報がサイバー攻撃により狙われるようになった。
ユニバーサルデザインが内包する矛盾 ──ダイバーシティといっても、さまざまな切り口があります。LGBT対応という観点で真っ先に連想されるのはトイレですが、トイレは誰にとってどのような課題がある場所なのでしょうか? 増原氏:一時期、メディアで「LGBT用トイレ」という表現が使用され、いまでもそういう表現を使う人がいますが、トイレで困るのは主にトランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別と異なる性別を生きる・生きようとする人)の当事者です。 ──2018年にTOTOが発表した「2018年性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート」では、トランスジェンダー当事者はトイレに入る際の周囲の視線やトイレに入る際の周囲からの注意や指摘にストレスを感じると回答しています。 増原氏:トランスジェンダーには性別を変えたい、あるいは実際に性別を変えている途中の方々もいらっしゃいます。そうなると、トランスジ
酒を飲まなくても、ワイガヤはできる 野中 郁次郎氏:(以下、野中氏)「場」を作ることの重要性という意味で、ホンダジェット開発の物語は印象的ですよね。ホンダの伝統だったミーティング手法「ワイガヤ」の新しい形をやっています。 本来のホンダのワイガヤは、三日三晩、チームで集まって合宿して議論してきました。酒を飲まないと駄目なんですよね。金がかかるんです(笑)。それで藤野(道格)というホンダジェットを開発した男が、「飲まなくたってできます」と言った。その代わり、素面で、オンザジョブで、本人の真ん前に立って、プロ同士で議論するそうです。そうすると真剣勝負ができて本質的な対話が成立すると言っていました。 アジャイルスクラムでは毎日15分朝会をやりますが、全員立ってやります。なぜ立ってやるかいうと、間合いをはかる真剣勝負の考え方なんです。「立つ」ということは、緊張感もあるし、朝会が終わったらすぐに機動的
金融業界でも、パブリッククラウドが選択される機会が増えてきたが必ず議論のポイントとなるのがセキュリティ対策である。一方、これまではパブリッククラウドにおいて「利用中データの暗号化」が難しく、クラウドの利用に踏み切れない企業も多かった。ここに切り込んだのがコンフィデンシャル・コンピューティングだ。本稿ではコンフィデンシャル・コンピューティングの定義から考えられるユースケースやその必要性について解説する。 日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 業務執行役員 金融イノベーション本部長 藤井達人 IBMにてメガバンクの基幹系開発、インターネットバンキング黎明期のプロジェクト立上げ、金融機関向けコンサルティング業務に従事。その後、マイクロソフトを経て、三菱UFJフィナンシャル・グループのイノベーション事業に参画し、フィンテック導入のオープンイノベーションを担当。「Fintech Challe
数字と全体最適化を優先するAI統治は中国と類似 多角的な問題能力を自律的な学習により獲得するAGIは、問題解決能力の高さと広範さ、さらに倫理観でも人を超え、人よりも合理的な判断を下せると見込まれる点で、将来的に社会の統治形態にも何らかの影響を及ぼす可能性が高い。こうした変化を社会に受け入れさせる現実な方策として慶應義塾大学 教授の大屋雄裕氏が提示したのが「計算社会科学を用いた計画経済体制」だ。 計画経済は社会主義の土台を成すが、社会全体の需要や供給の計測には膨大な計算が必要とされ、また、ローカルで発生する需要の一元把握の困難さなどからも、その実現はこれまで非現実的と資本主義陣営からは見られてきた。 「だが、コンピューターの劇的な能力向上やIoTによる緻密な情報収集などにより、技術面の問題は技術的に解決されつつある。要はAGIによる社会主義が現実味を帯びているわけだ。しかも、人と社会の間にA
2022年2月、アマゾンが基本年収の上限を35万ドル(約4,543万円)に引き上げることを計画していることが明らかとなった。それから3カ月たった今、グーグルやマイクロソフトが追随する動きを見せている。すでに高給として知られるテック大手の報酬だが、さまざまな要因を背景に上昇傾向を強めている。テック株が低迷するなど、市場の先行きは不透明さを増している中、テック大手の雇用をめぐって今何が起こっているのかを解説する。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に
2018年CESで発表、トヨタの「e-Palette」 トヨタ自動車代表取締役社長の豊田 章男氏が、「カーメーカーからモビリティカンパニーになる」という衝撃的な言葉とともに、自動運転移動サービス用車両「e-Palette」のコンセプトカーを発表したのは、2018年初めの米国CES(家電見本市)でのことだった。 その後e-Paletteは、翌年秋の東京モーターショーで一般向けに実車が披露され、2020年末にはサービス提供を支える運行管理システムをオンライン発表会で公開した。トヨタはプロジェクトに賛同する他企業や団体とともに、2020年代前半の複数エリア・地域での商用化を目指し、今年2月23日にくわ入れ式を行った「Woven City」での運行も計画しているという。 トヨタがこのようなモビリティサービス用車両を送り出そうとしている事実は画期的だ。ただし、e-Paletteのような車両がこれまで
米国における2023年のEV販売台数は前年比50%増、史上初の100万台を超え、新車販売のおよそ8%を占めるまでに急成長する見込みだ。にもかかわらず、米EV関係者の顔色はさえない。実は、消費者の間でEVシフトならぬハイブリッドシフトが起きているからだ。それにより、ディーラーのEV在庫は積み上がり、大手フォードやゼネラルモーターズ(GM)がEV・バッテリー戦略の見直しを図るなど、低迷が鮮明である。2024年以降のEV市場はどうなるのか、解説する。 米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の基礎を学ぶ。現在、米国の経済を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』などの紙媒体に発表する一方、『Japan In-Depth』や『ZUU Online』など多チャンネルで配信されるウェブメディアにも寄稿する。海外大物の長時間インタビューも手掛けてお
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