タグ

関連タグで絞り込む (2)

タグの絞り込みを解除

イギリスに関するq52464のブックマーク (5)

  • 虚無のゆくえ/ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』 - そのイヤホンを外させたい

    闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1) 作者: コンラッド,中野好夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1958/01/25メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 39回この商品を含むブログ (57件) を見る 19世紀末、貿易会社勤務の水夫マーロウは、派遣されたアフリカ奥地の出張所で川の上流に位置する最深部の出張所をあずかるクルツという人物の不可解な噂を聞くにおよび、彼を探すため船で川をさかのぼっていく。 ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』の物語の大筋はエンタメ小説のそれのように単純だ。 事実、作者コンラッドは長らく冒険譚やメロドラマを得意とする海洋小説家として知られており、彼の作品に対する文学的評価は後になってからついてきたものだった。僕は作の後にコンラッドの短編作品もいくつか読んでいるのだが、そちらはモーパッサンの作品に冒険とロマンスの風味を加えたような、一般受けする、良い意味でも悪

    虚無のゆくえ/ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』 - そのイヤホンを外させたい
  • デイヴィッド・ロッジ『小さな世界』(1984) - 海外文学読書録

    小さな世界―アカデミック・ロマンス 作者:デイヴィッド ロッジ 白水社 Amazon ★★★ 大学講師のパース・マガリグルは、T・S・エリオットの詩をテーマにした修士論文を完成させたばかり。その彼が学会で出会ったアンジェリカという女性に恋をする。一方、教授のフィリップ・スワローは講演で世界中を駆け回り、彼の友人で同じく教授のモリス・ザップも、国際大学人として各地の学会に参加していた。 「人は誰でも自分自身の聖杯を求めているんだと思いますね。エリオットにとってはそれは信仰だったんですけど、別な人間にとっては、それは名声であるかもしれないし、善良な女の愛であるかもしれません」(p.22) 筒井康隆『文学部唯野教授』【Amazon】の元ネタの一つだけど、大学人が主要人物の喜劇であるところ以外はそんなに似ていなかった。ストーリーとかシチュエーションとかまったくの別物。むしろ、もう一つの元ネタである

    デイヴィッド・ロッジ『小さな世界』(1984) - 海外文学読書録
  • ユーモアの中にある、人々の墓標を眺めるような物悲しさ/W・アーヴィング(齊藤昇訳)『ブレイスブリッジ邸』岩波文庫 - 誤読と曲解の読書日記

    ユーモアの中にある、人々の墓標を眺めるような物悲しさ/W・アーヴィング(齊藤昇訳)『ブレイスブリッジ邸』岩波文庫:目次 行間から滲み出る登場人物たちの心の機微 ユーモアの中に人生に対する寂寥感や諦観が顔を出す それほど洗練されていない、素朴な味わい 参考リンク 行間から滲み出る登場人物たちの心の機微 書のタイトルにもなっている「ブレイスブリッジ邸」とは、この物語の舞台となった「英国ヨークシャーの人里離れた美しい一角に佇む荘園風の邸宅」(書p14)を指す。 書『ブレイスブリッジ邸』は、ブレイスブリッジ邸で行われる婚儀に招かれた、語り手でもあるクレヨンの目を通して、地主一家や使用人たち、村の人々、その屋敷や村で起こった出来事が、ユーモアを交えて描かれる物語だ。 語り手のクレヨンは、この屋敷に滞在しているあいだ、「間近で展開するいろんな出来事や人物を折にふれてスケッチ風に活写しよう」(

    ユーモアの中にある、人々の墓標を眺めるような物悲しさ/W・アーヴィング(齊藤昇訳)『ブレイスブリッジ邸』岩波文庫 - 誤読と曲解の読書日記
  • 【書評】エドワード・ケアリー「堆塵館~アイアマンガー三部作(1)」-まったく先の読めない壮大なアイアマンガー三部作の幕開けを飾る作品。物語のもつ力強さと読者を取り込むワクワク感を存分に味わえる - タカラ~ムの本棚

    堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2016/09/30 メディア: 単行 この商品を含むブログ (10件) を見る 堆塵館 アイアマンガー三部作 作者: エドワード・ケアリー 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2016/09/30 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この小説を特定のジャンルにあてはめるのは難しいし、あまり意味のあることだとは思えない。 エドワード・ケアリーの作品を読むのは、実は書が初めてである。もう少し「実は」な話をすると、エドワード・ケアリーのデビュー作である「望楼館追想」を刊行当初くらいのタイミングで購入していたのだが、積んだまま読まずに15年くらい過ぎてしまった。自分でも、いくらなんでも積み過ぎだと思うのだが、こればかり

    【書評】エドワード・ケアリー「堆塵館~アイアマンガー三部作(1)」-まったく先の読めない壮大なアイアマンガー三部作の幕開けを飾る作品。物語のもつ力強さと読者を取り込むワクワク感を存分に味わえる - タカラ~ムの本棚
  • 【灯台へ (ヴァージニア・ウルフ著)】 - 役に立たない日々の日記

    枯葉舞い散る季節も終わるころ、年末の大掃除に向けてまずは棚を整理してみる。 の種類は様々だけど、やっぱり海外文学が棚の大半を占拠している。 どれが好きかなんて聞かれても、どれもその時々の心情によるから、に一番なんて言葉はないと思う。 今の気分で選ぶとしたら、これだろう。 季節の風が連れてくる感情を表してくれる。 『灯台へ』 ウルフはイギリス文学の代名詞ともいえる。 登場人物の心情や感情、場面ごとの情景を巧みな「言葉」で読み手に流し込む。 彼女の代表作は「ダロウェイ婦人」だとは思っているが、この作品も捨てがたい。 鋭い視点で緩やかに描く時間の流れ、柔らかな日差しを力強く表す情景。 【春が来ると庭の植木鉢は、風が運んだ草花も混じって、相変わらず鮮やかな花々を咲かせた。スミレが咲き、黄水仙が花開いた。しかし、昼の静けさや明るさには、夜の混沌や騒乱に劣らず、どこか不気味な気配があった。】

    【灯台へ (ヴァージニア・ウルフ著)】 - 役に立たない日々の日記
  • 1