どうもこんばんは、サラダ坊主です。 先日、遂にハーマン・メルヴィルの「白鯨」(岩波文庫・八木敏雄訳)下巻を読み終えましたので、ここに感想の断片を遺しておきたいと思います。 上巻と中巻に関する感想文の記事で触れた内容と重複する部分も出て来るかも知れませんが、御了承下さい。 メルヴィルの「白鯨」には、古今東西の文献から引かれた故事や学識が無数に象嵌されています。別けても「聖書」からの引用は実に夥しく、この書物がキリスト教社会の風土で育まれた作品であることを如実に示しています。 キリスト教に関する知識も、聖書を繙いた経験も持たない私には、それらの引用の意味、或いは本歌取りの面白さを直ちに把握し、理解することが出来ないのが残念です。 この小説は、キリスト教の聖典やギリシア・ローマ時代の古典から引かれた無数の故事と共に、鯨に関する様々な雑学的知識の象嵌によって構成されています。それがメルヴィルの語り
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