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メルヴィルに関するq52464のブックマーク (3)

  • 「鯨」に捧げられた「聖書」のごとく ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 3 - サラダ坊主日記

    どうもこんばんは、サラダ坊主です。 先日、遂にハーマン・メルヴィルの「白鯨」(岩波文庫・八木敏雄訳)下巻を読み終えましたので、ここに感想の断片を遺しておきたいと思います。 上巻と中巻に関する感想文の記事で触れた内容と重複する部分も出て来るかも知れませんが、御了承下さい。 メルヴィルの「白鯨」には、古今東西の文献から引かれた故事や学識が無数に象嵌されています。別けても「聖書」からの引用は実に夥しく、この書物がキリスト教社会の風土で育まれた作品であることを如実に示しています。 キリスト教に関する知識も、聖書を繙いた経験も持たない私には、それらの引用の意味、或いは歌取りの面白さを直ちに把握し、理解することが出来ないのが残念です。 この小説は、キリスト教の聖典やギリシア・ローマ時代の古典から引かれた無数の故事と共に、鯨に関する様々な雑学的知識の象嵌によって構成されています。それがメルヴィルの語り

    「鯨」に捧げられた「聖書」のごとく ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 3 - サラダ坊主日記
  • 「畸形」としての物語 ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 2 - サラダ坊主日記

    どうもこんばんは、サラダ坊主です。 メルヴィルの「白鯨」(岩波文庫・八木敏雄訳)の中巻を読み終えたので、覚書を認めて読者諸賢の御高覧を賜りたいと思います。 改めて思い知ったことですが、この「白鯨」という小説において、作者のハーマン・メルヴィルは「筋書き」というものに殆ど誠実な関心を懐いていません。恐らく物語の骨格だけを取り出して、過不足のない文章表現だけを塗して作品を仕上げれば、岩波文庫で全三冊もの分厚い分量に達することも、あれだけ夥しい数の訳注を附与することも、要らぬ手間だったに違いありません。しかし、そうやって合理的なブラッシュアップを施してしまえば、この「白鯨」という異様な小説の内奥に漲る独自の生命力が涸渇してしまうであろうことも、一つの重要な事実として認めざるを得ません。 或る一連の出来事を簡潔に、分かり易く物語るという技術が、小説の芸術的価値を左右する唯一の規矩として信奉されてい

    「畸形」としての物語 ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 2 - サラダ坊主日記
  • 異様な饒舌と「逸脱」への熱量 ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 1 - サラダ坊主日記

    どうもこんばんは、サラダ坊主です。 アメリカの作家ハーマン・メルヴィルの有名な長篇小説「白鯨」(岩波文庫・八木敏雄訳)の上巻を読み終えたので、感想の断片を書き遺しておきたいと思います。実は昨年の春にも、この「白鯨」という難攻不落の叙事詩に挑戦して無惨にも挫折したという経緯があり、今回はエイハブ船長と同じく「復讐」ということになります。 この小説は、モービィ・ディックという渾名で呼ばれる獰猛な白鯨と、その白鯨に片脚を咬み砕かれて義足の身となった執念深いエイハブ船長との対決を、語り手であるイシュメールの見聞を通じて描き出すという体裁に覆われています。しかし、一読すれば明らかなように、作者のメルヴィルは決して物語の単線的な構成や描写に、職人的な精巧な手腕を発揮しようとは考えていません。彼は白鯨とエイハブの死闘の物語を成る可く簡明に、活き活きと描写して、丁寧に包装された贈り物のように読者の手許へ届

    異様な饒舌と「逸脱」への熱量 ハーマン・メルヴィル「白鯨」に関する読書メモ 1 - サラダ坊主日記
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