社会学の歴史 作者: 奥井智之 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2010/09 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログ (10件) を見る 社会学とは、社会に関する学問だ。では、そもそも社会とは何なのか。 社会学の創始者といわれるオーギュスト・コントは、フランス革命によって出現した市民社会を自らの学問の題材としたという。本書ではその「前史」として、なんとアダムとイブの楽園追放から(さらに言えばキューブリックの『2001年宇宙の旅』の冒頭から)話を始めるのだが、それでも社会が「社会」として可視化されたのは、やはりフランス革命以降であると考えてよさそうである。 そこから著者は、マルクスとエンゲルス、フロイトという社会学に深い影響を与えた巨人を紹介し、ジンメル、デュルケーム、ウェーバー、シカゴ学派、パーソンズと、いわゆる「教科書的な」配列で主要な社会学者の学説