全国400カ所に設置されている震度計のメーカーが、不採算を理由に事業から完全撤退することを決め、一部の震度計は保守点検が不十分で震度を正確に測れない状態で放置されていることが、朝日新聞の調べで分かった。昨年7月の岩手県沿岸北部地震で、最大震度が取り消された岩手県洋野町の震度計も、このメーカーの製品だった。設置した8県は別メーカーの製品に取り換えるなどの対策に乗り出した。 全国の自治体が設置する震度計は約2800台ある。今回の震度計は大手通信機器メーカーの沖電気工業(本社・東京)の製品。岩手、山形、山梨、富山、岐阜、島根、鳥取、佐賀の8県が約400台設置している。同社によると、「需要が少なく採算が取れない」として05年、震度計の製造や販売を中止。「今後は点検や修理、部品の交換はしない」とする通知を、8県の知事あてに出した。契約が切れた震度計は保守点検をしていないという。 岩手県沿岸北部地