上下灰色トレーナー姿で丸刈りの池田被告を前に、男性3人、女性3人の裁判員は、被告の表情を時折確認するように目をやり、検察、弁護側がそれぞれが語る事件の内容を熱心にメモに書き写した。 検察側は被告の態度を「冷酷で利欲的だ」と断定し、裁判員に事件の残虐性を強調した。「殺さないで」。懇願する被害男性を殺害する状況を具体的に明かした。「これが使用されたものです」。台車に載せた電動切断機を被告と裁判員に示した。横たわった男性の首に切断機を当て、首をすくめ叫ぶ男性に被告が「動いちゃ駄目だろ、切れないじゃないか」と言って、生きたまま首を切断した様子を微細に語った。「遺体を淡々とごみ袋に入れ、共犯者に『人形みたいでしょ』と言った」。殺害後の被告の言葉も取り上げた。 弁護側は、殺害時に抱えた「葛藤(かっとう)や躊躇(ちゅうちょ)」を訴えた。「(部屋の中に)警察が入ってきて、逮捕されないかな」。被告は遺体