『生命活動として極めて正常』(八潮久道 著)KADOKAWA 日々ものすごい数の本をひたすら読み続けている人もいれば、ふだんは全く読まないという人もいる。 あんまり本を読まない人にはわかりにくい話であっても、息をするように本を読んでいる人にとっては、とってもよく見る話だった、ということは珍しくない。 両者が楽しく読める本というのはなかなかない。本書は、そのとても稀な例である。みじかく言うなら、激推しぽよ。 ふつう、本の紹介欄に、激推しぽよ、とは書かない。その語尾は一体どこからきたのか。でも、そうせよと迫る何かがある。 表題作を含む七篇をおさめる。とても不穏な書名であって、えっ、となる。日本語として不思議なところは全くないのに、どこか奇妙な手触りがある。SFか? という気持ちが湧き、いや、ホラーかもしれない、という想像が浮かぶ。もしかすると医療ものなのかもしれない。 そのどれもが半ばあたりで