少女リムはそのとても広く白い部屋の丁度真ん中に床の固ささえ気にせず寝そべっているのだ。 その白く長い足は自分の持ち主が可憐な、それもこの国でもなかなかいない美少女と言うことを忘れてしまっているかのように、恥ずかしげも無くそのスカートから真っ直ぐに伸びきっている。 持ち主であるリム自身もその事実を知らぬように、いや現に知らぬのだろうか、警戒の欠片もない赤子のような寝顔で、ただ上下に白いこの部屋でカーペットになっている。 しかし物語りはいつだって、始まりと終わりがある。 つまりこの少女は目を覚まし、そして終わらなければならぬのだ。 こうも、私が話している間に、私の言葉で或いは目が覚めたのか、彼女は自然に、しかし見るものには劇的なほどの軽やかさで目を覚ます。 舞台の幕は開き、彼女の寝ぼけ眼に私は釘付けになる。 リムはこの広く広くそして真っ白なこの部屋で斯くも一人きりの自分を見つけてしまうように。