『句集 牧歌メロン』 著者:加藤郁乎。1970年10月15日、仮面社発行、限定版八百部、A5版縦長変形、濃緑布装、窓開き函入り、62p、定価千二百円。 学生時代に高田馬場の古本屋で千円で手にいれた。 どんな理由で上京したのか覚えていないが、当時は東京といえば、何はなくとも神田神保町の古書街詣でしか頭になかった。 たまに上京したら時間の許す限り歩き回ったものだ。 「全国古書店地図帳」を見て、早稲田界隈の高田馬場にも古本屋が多いことを知り、ここも第二ポイントとしていた。 当時の学生の常として、時間だけはたっぷりあっても、ふところには一年中秋の風が吹いている状態だったから、この千円というのは、僕にとっては結構な値段だったと思う。 しかし、この本は、十二分に元を取った気分にさせてくれた。 僕自身も楽しんだが、小倉での友人たちにやたら受けまくったのだ。 特に同郷で、下宿もいっしょだった一木良治とは、