シルバー人材センターの会員のお年寄りが、作業中にけがをしても保険が適用されず、全額自己負担になるのは、不当だと訴えて国に対し、初めての裁判を起こすことになりました。 健康保険も労災保険も適用されないこうした会員は、全国に15万人以上いると推計され、専門家は、「行政の縦割りが背景にあり、早急に対策を検討すべきだ」と指摘しています。 訴えを起こすのは、奈良県内の70歳の男性の家族です。 男性は、3年前、シルバー人材センターから委託された木のせんてい作業中に、足の指の骨を折る大けがをしましたが、全国健康保険協会奈良支部からセンターの作業は、「業務」に当たるため、男性が入っている娘の会社の健康保険は適用できないとして、治療費など85万円余りを支払うよう求められたということです。 男性側は、保険の適用が認められないのは不当だと訴えて、今月末にも、国などに対し、初めての裁判を起こすことにしています。