サイバーセキュリティーが経営課題となり、サイバー被害が企業経営や組織運営にブレーキをかける時代になった。そうしたなかで取り入れるべき3つ目のセキュリティーの新常識は「認証のパスワードをやめる」である。 実態として、日本の企業や組織に所属する4人に3人がパスワードを使い回している。ログイン情報が漏洩すれば不正侵入のリスクが一気に高まるが、システムごとに別々かつ複雑なパスワードを設定するように徹底させるのは難しい。できないことを無理強いする慣習をやめ、「認証といえばパスワード」という常識こそ見直すべきだ。 事実、幾つものクラウドサービスを使いこなす企業では、パスワードを原則的にやめる動きが相次いでいる。UI(ユーザーインターフェース)のデザインやコンサルティングを手掛けるグッドパッチの取り組みが参考になる。 同社は新型コロナウイルス禍以前から場所を問わない働き方を志向してきた。東京都渋谷区の本