日本はどうして地震国における原発の危険性を認め、全原発の即時全面停止を宣言しないのか。そんな諸外国の懸念をよそに、事故を起こした福島第一原発の廃炉と、事故周辺地域の除染が続けられている。 除染は原発事故による不可逆的な汚染を否定し、原状回復、すなわち事故をなかったことにする措置である。ロシアがチェルノブイリ原発周辺の除染を行わず、永久立入禁止区域にしているのと対照的な対策であると言える。 自治体の裁量では決められない除染方法 国は除染費用として、昨年度と今年度合わせて約5000億円の予算を計上した。ただし、除染予算は、全額を東京電力に求償することになるので、建前上は国庫の持ち出しはない。求償は裁判によるのではなく、放射性物質汚染対処特措法と原子力損害賠償法により、国が原子力事業者である東京電力に対して行う。 約1兆円の予算が全額国庫負担とされた災害廃棄物処理の場合、撤去や処理の方法について