医療業界の諸悪の根源は「専門分化」である 現在、大学病院を中心とする医療業界にはさまざまな課題がありますが、中でも私がまず問題視したいのは、専門分化による診療です。 大学病院に行くと、「呼吸器内科」「循環器内科」「消化器内科」「心臓外科」「消化器外科」など臓器別の科が無数にあるのを目にします。現在の日本の医療業界では、こうした各臓器によって専門特化した診療がスタンダードになっています。 医学が進歩する中、臓器別に特化した研究や臨床を続けると、各臓器に関する知識が深まり、プロフェッショナルが育成され、医療レベルが上がりやすくなります。難病を患った時は、その臓器の専門医に見てもらったほうがより良い治療を受けられるし、誤診も少なくなるはずです。 専門分化型の診療の何が悪いのか……と思われるかもしれません。ところが、これらの診療スタイルが効果を発揮するのは、あくまで「一つの病気」を患った場合の話で