クリエイターの言葉 常習的なレイプ事件に対し、女性たちはどう向き合ったのか......。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』 女性の尊厳と子どもたちの未来のために。 サラ・ポーリー/映画監督 長編デビュー作『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』(2006年)や自らの出生の秘密に迫るドキュメンタリー『物語る私たち』(12年)で映画監督としての類まれなる才能を開花させた俳優のサラ・ポーリー。 10年ぶりにメガホンを取った『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は、人の感情に寄り添うサラの、監督としての美点が最大限に生かされた深い洞察に満ちた傑作だ。ある宗教のコミュニティで起こった常習的なレイプ事件に対し、“黙って赦す”、“残って闘う”あるいは“コミュニティから出ていく”という選択肢を巡って女たちが話し合う様が描かれる。牧歌的な風景、テレビや携帯のない簡素な暮らしや服装、読み書きができない女性たち