昭和41年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)に再審無罪を言い渡した静岡地裁判決について、畝本直美検事総長は8日、談話を発表し、控訴しないと明らかにした。談話では、「結果として相当な長期間にわたり、その法的地位が不安定な状況に置かれてしまうこととなった。刑事司法の一翼を担う検察としても申し訳なく思っている」などとしている。談話の全文は次の通り。 ◇ 検事総長談話 令和6年10月8日 【結論】 検察は、袴田巌さんを被告人とする令和6年9月26日付け静岡地方裁判所の判決に対し、控訴しないこととしました。 【令和5年の東京高裁決定を踏まえた対応】 本件について再審開始を決定した令和5年3月の東京高裁決定には、重大な事実誤認があると考えましたが、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当ではないと判断しました。他方、改めて関係証