拝啓、親愛なるウラディーミル・プーチン大統領閣下 大統領選での5選、誠におめでとうございます。得票率も予定の8割を遥(はる)かに超え、計画通りの圧勝でしたね。ロシア専門家でもない私はこれまで貴閣下にお手紙を書くことを差し控えておりました。でも、今回ばかりは思うところあり、こうして書を認(したた)める非礼をご容赦ください。 過去4半世紀の間、私は貴閣下の治世に注目して参りました。ソ連崩壊という屈辱を乗り越え、金銭欲にまみれ文化的にも弱体化したロシアを見事に再生させた手腕は大したものです。18世紀にロシアの近代化・大国化と領土拡大を進めたピョートル大帝以来の快挙ですね。貴閣下もそう自負されていることでしょう。 それでも貴閣下の5期目の治世は従来ほど順風満帆ではありません。国内反対派の粛清は比較的容易でしたが、3年目に入ったウクライナ侵略(失礼、反・新植民地主義闘争でしたね)の終わりは見えず、つ