外はパリッ、中はモチモチ。高温で焼き上げる絶妙の食感がたまらない。インドカレーに欠かせないナン。でもそう思っているのは日本人だけかも!? インドでは北部でしか食べられていないそうだ。皿からはみ出すボリュームもうれしいけれど、本場は皿に収まる円形で、日本独自に巨大化したという。ナンでだろう? 答えを探していくと、ナン窯「タンドール」を作る下町の町工場に行き着いた。(重松明子、写真も) 南インド料理ダクシン八重洲店(東京都中央区)で、チェテナード・チキンカリーをいただく。20種以上のスパイスをまとった鶏肉が柔らかく、コクと辛さがいい。ナンのほんのりした甘みが絶妙な和らぎを与えるが、本来この組み合わせはありえない。 「南インドにナンはありません。主食はライスや鉄板で焼くクレープ『ドーサ』です。南インド人としては少々悔しいのですが9年前に出店する際、日本人相手にはナンが必要と判断したのです」と、社