<大規模世論調査「スマートニュース・メディア価値観全国調査」が明らかにした日本の「分断」。連載第6弾では、政治にかかわりたくない層の増加は、何をもたらすのか、早稲田大学政治経済学術院教授・小林哲郎氏が解説する> ■本連載の記事一覧はこちら 筆者は2015年末から2023年8月まで香港の大学で勤務したことから、2019年から2020年にかけて香港で発生した大規模なデモとそれに対する政府の弾圧を間近で目にする経験を得た。2019年6月、人口約740万人の香港で200万人(主催者発表)もの人々がデモに参加。レストランや小売店が民主派vs.親政府派・親中派に色分けされて、ボイコットやバイコットが日常的に行われていた。さらに、コロナワクチンを接種する際ですら中国製を選ぶか否かという選択肢さえもが政治化。生活の隅々にまで政治的な対立が行き渡っており、好む・好まざるに関わらず、政治に関与することはごく普