監査等委員会設置会社に移行する企業が増えています。ガバナンスの機関設計の特徴を知り、注意点を押さえましょう。 2025年6月の株主総会ではトヨタ自動車やNTTなどの企業が監査等委員会設置会社に移行し、2025年8月で監査等委員会設置会社の割合が東証プライム市場上場企業の48.1%に達しました。今回は、コーポレートガバナンスの機関設計の1つである監査等委員会設置会社の監督機能について考えてみましょう。 3つもある機関設計 日本では、上場企業が取り得るコーポレートガバナンスの機関設計が3つ存在するという珍しい状況にあります。監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社です。 もともとは、監査役会設置会社が基本的な形態でした。この形態では、監査役は取締役会における議決権を持ちません。執行と監督を明確に分け、監督の独立性を確保し、経営の意思決定への関与を避けることで責任の所在を曖昧
