野村総合研究所(NRI)未来創発センターDX3.0政策戦略室・産業ITイノベーション事業本部シニアチーフストラテジスト。1986年、NRI入社。以降、政府や自治体への政策研究、企業の業務改革などに携わる。日本オペレーションズ・リサーチ学会フェローやオペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会理事なども務める。著書に『サプライチェーン経営入門』など ウクライナ危機を発端に急激な円安が進んだ2022年来、生産拠点の国内回帰を唱える声が目立ち始めています。 藤野直明氏(以下、藤野氏):円安になったから国内回帰を進め、輸出を拡大して日本経済の成長につなげよう、というのはマクロ的に見ればそうなのかもしれないが、経営者は円安が進んだから生産拠点を日本に全部戻すなんてできない。まず、円安がどれほど定着するかが分からない。為替は様々な要因で動く。簡単に円安が定着するとは言い切れない中で、急激に円安が進
企業経営、世界経済、消費行動、イノベーション……、混迷のコロナ時代にリーダーたちが示す未来とは。2020年7月2日にスタートしたウェビナーシリーズ「日経ビジネスLIVE ニューノーマル時代の成長戦略~新たな長期的価値の創造~」をアーカイブ配信する。 第3回は工作機械大手DMG森精機の森雅彦社長と、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授の対談。次世代通信規格「5G」や「デジタルツイン」など新たな技術やコンセプトを使ってデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める森社長に、イノベーションを専門とする入山教授がニューノーマル時代のもの作りの在り方を聞く。 ※「日経ビジネスLIVE ニューノーマルの成長戦略~新たな長期的価値の創造~」は2020年8月下旬まで開催予定です。Day5(7月30日)「激変する消費」には、ホームセンター最大手カインズの高家正行社長やアウトドア用品大手スノーピークの山
第1回製造業アジャイル勉強会のメインビジュアル 製造業アジャイルを語る人は、デブサミ2008のベストスピーカー賞を受賞された、那須のケント・ベックこと咳さん以外、お目にかかる機会がしばらくなかったのですが、RSGT2018に突如現れた半導体アジャイルな人々を見て、「製造業アジャイル」というジャンルが出来つつあることを注目していました。この波の行方を感じたくてblog枠で滑り込み参加させていただき、したためてみました。何分初めてのことで、至らぬところも多々あると思いますが、読んでくださる皆さんのお役に立てれば幸いです。 beyond-hardware-agile.connpass.com オープニング:及部 敬雄さん(デンソー) 参加者アンケート結果 講演「製造業と大企業におけるアジャイル開発とそびえ立つ壁たち」船戸 康弘さん(ホンダ) 1:大企業あるある問題と我々のぶっ壊し事例 1-1:ソ
樹脂の高精度加工を得意とするJpキュービック。伊藤雅彦社長の口癖は「できないと言わない」。キャスト品並みの表面粗さシングルナノを切削で実現するなど、オンリーワンの高度な技術力を武器に、付加価値の高い仕事をこなす。「社員の平均年収2000万円、完全週休3日残業なし」という高い目標を5年後までに実現すると自信を見せる。(聞き手は高市 清治=日経 xTECH/日経ものづくり) 樹脂加工で他の企業ができないような高精度な加工を得意としています。例えば、アクリル樹脂でキャスト品と同等の、表面粗さRa0.006(6nm、シングルナノ)の鏡面加工を、当社は切削品で実現できます(日経ものづくり2019年4月号「ものづくりQuiz」参照)。 売上高は右肩上がりです。2018年度の売上高は2015年度の約1.7倍。製造部の1人当たりの月間売上高は、材料・工具代を引いた工賃ベースでだいたい250万~300万円で
先週、ボストンに住んでいる日本人研究者が月一で集う異分野交流会があって、そこで講演させていただいた。 100人以上が集まる大盛況でした。 来てくださった方は本当に有難うございます。 講演の内容は、大企業が、どのように新しい技術に対して、経営の舵取りをしていくべきか、というもの。 前半では、日本の大企業が各分野で最近競争力を失い、シェアを減らしている、 でも実はそれは日本に限らず、世界中の大企業が陥る病なのだ、と言う話。 そして後半で、イノベーションのジレンマなどの先行研究と、私の研究内容を話した。 実際、日本の製造業は苦しんでいる。 講演でも紹介したように、かつてはブラウン管テレビでは世界の半分のシェアを持っていた日本企業は、 薄型テレビになってから、サムスンやLGにシェアを奪われてるし、 半導体も1980年代にはDRAM世界シェア80%近くを占め、NECがNo.1だったが、ここも韓国にや
私の接してきた北米やNZのエンジニアは、残業も好きでやる以外ほとんど無く、休日も普通に取れて悲壮感など感じさせることは無かった。 日本のエンジニアとなぜこうも違ってくるのかと考えてしまう。総合的に見て個々人の能力にそれほど差があるとも思えない。 日本の労働生産性が低いという話になるのかと思いきや、製造業に関しては別に極端に悪いわけでもない。 3. 日本の製造業の労働生産性(2007年)はOECD25カ国中第14位。ドイツに抜かれ順位を1つ下げる。 日本の製造業の労働生産性水準(2007年)は80,400ドル(947万円)で、OECD加盟国でデータが得られた25カ国中第14位(図4)。 ドイツに抜かれ、2006年の第13位から1つ順位を下げた。先進7カ国でみると米国、フランス、ドイツに次ぐ第4位となっている。 米国製造業の労働生産性を100とすると日本の労働生産性は79。(->pdf) ド
国内のネットのオリンピックの審査結果の評判を聞いているとこんな感じだ。 ・キムヨナは採点基準を追求した点取り型の演技で技術的には浅田真央の方がレベルが高い。 ・浅田真央は世界初のトリプルアクセルを成立させたが、採点基準の上では低くなる。 なんだか、いつもヘンな技術にこだわってスカタンをする日本のメーカーみたいで笑ってしまった。 ここでも言われているように、日本以外の国では、韓国のデジタル家電の方が日本製品よりメジャーなモノが多い。価格も安いし、ユーザーのニーズに沿った製品を作ってくる。ヘンな機能を追及したりしていないからだ。 浅田真央のように、日本のメーカーはヘンに技術にこだわることが多い。 たとえば、ソニーがビデオのベータマックスを出したとき、なぜか「カセットの大きさ」にこだわっていた。彼らは、文庫本サイズにこだわった。おかげで初代ベータは1時間しか録画できなかった。そこはこだわるべき
Kさん、おたより楽しく読ませていただきました。この混沌とした時世に、それでも何か光るブレイクスルーが(あるいは、お言葉を借りれば「ブレイクスルーの予感が」)感じられるのは、何より心強いことです。 確かに、私たちの生きている時代は、課題だらけです。日本は『経済一流、政治三流』などと威張っていられたのは過去のこと。お偉方の頭の中では、いまでも産業技術では世界トップと思われているのかもしれませんが、実務家の日々の仕事で見えてくる姿は、だいぶん擦り切れてくたびれかけた「超一流」、品質も技術も物流も販売も、困難をかかえて制度疲労しているように思えます。 それでも、日本の製造業を訪問するたびに感じるのは、そこに働く人たちの優秀さと誠実さでしょう。この底力をうまく活かせれば、まだいろいろな可能性があるのだなと、御社のチャレンジを見て思います。ただ、そこでいつも障害となるのは、組織のマネジメント力の弱さ、
久しぶりに、またR先生を訪ねた。かつては企業経営にタッチし、現在は半ば引退した経営コンサルタントだが、今でも教えられることは多い。 「元気かい。出張に行っていたみたいだが、最近の景気はどうだね?」 --厳しいですね。半月ほど欧州の地方都市に行っていたんですが、今回の米国発金融危機は、想像していたよりずっと速く影響が出てきてます。我々の業界でも、世界中であちこちのビッグ・プロジェクトが中断ないし立ち往生をはじめました。向こうではしょっちゅう“今回の経済危機の影響はどうだ。日本はどう立ち向かうのか”と聞かれました。聞かれても、これといっためぼしい政策もないし、答えに困るんですが・・。 「そうだな。自動車や消費財業界はもう影響が出始めているが、生産財その他の業種はまださほど危機感がなく、“日本は金融危機の影響が小さいおかげで、円高になって困る”という程度の認識のようだ。まるドメ企業が多いからなあ
2008年度は28年ぶりの貿易赤字 財務省が4月22日発表した「2008年度の貿易統計速報(通関ベース)」によるとわが国は「輸出国」でなく、「輸入国」になりました。輸出額が輸入額より7253億円も小さくなってしまったのです。これは第2次石油危機直後の1980年度以来28年ぶりの貿易赤字となります(輸出額は71兆1435億円、前年度比16.4%減少。輸入額は同4.1%減の71兆8688億円)。 貿易赤字の原因を新聞などでは、世界的な金融危機に伴う欧米需要の悪化で自動車や電機の輸出が急減したためとされていますが、私はこの貿易赤字は定常的なものになるのではないかと心配しています。 シャープは日本を捨てる? その心配の原因のひとつが4月9日の「フィナンシャルタイムズ」の1面を飾った記事です。シャープがコア製品の生産までも海外に移転しようとしている、という内容でした。 記事のポイントを書くと シャー
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