視覚と聴覚の両方に障害のある人は盲ろう者と呼ばれる。人類史上、最も有名な盲ろう者といえばヘレン・ケラー(1880-1968)だが、現代の日本にも、盲ろう者として歴史に名を刻む人物がいる。9歳で失明、18歳で失聴するという苦難を乗り越え、世界で初めて大学のフルタイム教員となった福島智・東京大学教授だ。コミュニケーションや情報収集の手段など、盲ろう者に関する基礎的なことを教えてもらいながら、福島さんが考える“生きる意味”について話を聞いた。 福島 智 FUKUSHIMA Satoshi 1962年、兵庫県生まれ。幼少期に片目ずつ失明、18歳で失聴し、全盲ろうとなる。83年、東京都立大学に合格し、盲ろう者として日本初の大学進学を果たす。金沢大学助教授などを経て、2008年より東京大学先端科学技術研究センター教授。盲ろう者が常勤の大学教授になったのは世界初。全国盲ろう者協会理事、世界盲ろう者連盟ア
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