東日本大震災で被災した福島県いわき市の介護老人保健施設「小名浜ときわ苑」の入所者と職員計184人が21日、大型バスに分乗して千葉県鴨川市に集団避難したが、移動中の車内で80歳と94歳の女性入所者2人が心肺停止状態となり、鴨川市到着後に死亡が確認されたことがわかった。施設側が明らかにした。2人は出発前から具合が悪そうだったといい、鯨岡栄一郎施設長は「長距離を移動するリスクは考えたが、いわきに残っても医療を受けられず、苦渋の決断だった。残念です」と話した。 関係者によると、ときわ苑は地震で建物の一部が破損し、断水が続いたうえ、食料が届きにくくなっていた。16日にホームページに「全員無事です。食料・水などの支援をお願いしております」とメッセージを掲載していた。 さらに東京電力福島第1原発から約50キロにあるが、現在は20~30キロ圏内に設けられている屋内退避区域が今後拡大した場合は、取り残される