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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (4)

  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「冷血」は新訳がスゴい

    11月の深夜、一家4人が殺された。父親と母親と息子と娘はロープで縛られ、至近距離から散弾銃で撃たれており、射殺というよりも顔や頭を破壊されていた。 50年前のこの事件の犯人は、二人の若者。もちろん「若さゆえの凶行」なんてレッテルを貼ることもなく、それどころか、著者は感情や評価するような表現は極力使わず、徹底的に事実を積み重ねている。 カポーティの「冷血」、大昔に読んだはずだが、残っていない。文字通り読んだというより「見た」だな。ともすると冗長すぎて途を見失う恐れがあるが、新訳で息を吹き返している。これは読みやすい。これはスゴ。 犯行状況を時系列の外に置き、調書を取る対話で生々しく表現したり、「なぜ若者が犯行に及んだか」はズバリ書かず、手記や調書から浮かび上がるようにしている。「書き手である自分」を、地の文から取り除くことに成功している。カポーティはノンフィクション・ノヴェルと呼んでいるが

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「冷血」は新訳がスゴい
  • 文章読本・虎の巻

    世に「文章読」はたくさんある。全部読んだら文章の達人になるのだろうか?あるいは、優れた小説や評論を書けるようになるのだろうか?斎藤美奈子のメッタ斬りを見てると期待できそうにないので、吉行淳之介の編んだ「文章読」を読む。 書には、文章読のエッセンスがギュッと濃縮されている。ずばり「文章とは何か」「文体とは」「優れた文章を書くコツは」との問いにそのまま答えているものばかり。文筆を生業とする書き手たちの「姿勢」がよく見える。このラインナップはスゴい。 文章の上達法(谷崎潤一郎) 谷崎潤一郎の文章(伊藤整) 僕の文章道(萩原朔太郎) 「が」「そして」「しかし」(井伏鱒二) 文章を書くコツ(宇野千代) 自分の文章(中野重治) わたしの文章作法(佐多稲子) センテンスの長短(川端康成) 質疑応答(三島由紀夫) 口語文の改革(中村真一郎) 文章を書くこと(野間宏) 削ることが文章をつくる(島尾敏

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  • 劇薬本「子どものねだん」で知る児童買春地獄

    掛け値なしの劇薬、まじめに読むほど気分が悪くなること必至。最悪なことに、こいつがフィクションでないことを意識して読まされる。ふつうの人は読んではいけません。 「赤ちゃんの値段」があるぐらいだから、「子どもの値段」もあるだろうという安易な発想から見つけたのだが、これがスゴい。ヒドい。「人をモノのように扱う」は比喩だというヌルい感覚は吹き飛ばされる。言葉そのままの意味で「モノ以下」。子どもにとっては地獄そのもの。書をタネとした「闇の子供たち」の方が、フィクションである分、ある種の「安心感」をもって読めたが、これはそれを許さない。 「小さな穴」を求めるオトナにとって、子どもの性別は関係ない。従順で、好きに扱え(暴力を含む)、未発達であるがゆえに締まりが良い穴であれば、関係ないのだ。自由を奪われ、ろくな事を与えられず、暴行・暴行・暴行。そして、ちょっと言い表せないような性行為を強要される。H

    劇薬本「子どものねだん」で知る児童買春地獄
    rahoraho
    rahoraho 2007/04/13
    ペド
  • あなたのマンションが廃墟になる日

    巷を騒がせている耐震偽装設計は決してヒトゴトではないのだが、『犯人』は特定されており、司法での決着を待つ状況に至っている。 わたしはあまのじゃくなので、むしろ4年後に直面する問題をいま知っておきたい。なぜなら、問題が深刻化するころは、『犯人』はとうに去っており、引き継いだ当事者は被害者ヅラをすること必至だからだ。永住するつもりで購入したマンションが、ローン完済時に住めなくなる可能性に警鐘を鳴らす「あなたのマンションが廃墟になる日」は、非常に参考になった。 総務省の調査では住宅のサイクル年数は30年(木造は26年)だそうな。国土交通省が2002年に公表した事例では「老朽化」で再建されたマンションの平均築後年数は37年となっている。これに比べて、欧米の住宅サイクル年数は、 イギリス141年 アメリカ103年 フランス86年 ドイツ79年 なぜ日の鉄筋コンクリートマンションは30年少々で壊され

    あなたのマンションが廃墟になる日
    rahoraho
    rahoraho 2007/01/01
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