「赤字か黒字かよりも、インフラをどう維持するかに主眼を置くべきだ」と訴える高嶋教授=31日、宮城県柴田町 第三セクター阿武隈急行の将来について沿線住民が語り合う集会「阿武隈急行を考える集い」が31日、宮城県柴田町で初めて開かれた。地方鉄道を研究する青山学院大の高嶋修一教授(日本経済史)は、同県が検討しているバス転換について「客観的に見て難しい」と指摘し、地域インフラとして維持する必要性を強調した。 沿線住民や福島学院大の学生ら有志でつくる実行委員会の主催。宮城県が同県側区間をバスなどに転換する検討を進める中、鉄道の存在意義を確認する趣旨で開催した。 高嶋氏はバス転換を巡り、比較的利用が少ない同県側区間であっても「平日朝はほぼ満員の路線バス7~8台が必要となり、時間も余計にかかる。運転手確保も非常に厳しく、バス転換は容易ではない」と述べた。 阿武隈急行の利用目的は7割強が通勤・通学で、沿線居