猛暑の熊本を襲った最大震度7の地震。過酷な気候の中、厳しい避難生活が続けば、体調悪化や災害関連死の恐れが高まる。防災行動学が専門で、災害時の行動計画を事前に決める「タイムライン」の重要性を提唱する東京通信大の松尾一郎特任教授(70)は「災害関連死を防ぐには『避難所からの避難』を進めるべきだ」と訴える。(聞き手・東寛明) ◇ ◇ 地震の際、建物の倒壊や火事による「直接死」をなくすには、発災前の準備が肝要だが、避難先の環境に伴って発生する「災害関連死」をゼロにするには発災直後からの努力が必要。国と熊本県、自治体が連携して実現できるのは、被災者を避難所から安全で快適な宿泊施設に移す「避難所からの避難」だ。 「避難所からの避難」は「広域避難」「2次避難」とも呼ばれる。2024年の能登半島地震では、被害が大きかった石川県の輪島市の住民が100キロほど離れた金沢市の宿泊施設に移った実績がある。

