日本古来の製鉄法で、日本刀の原料となる玉鋼(たまはがね)を生産する「たたら製鉄」の火入れ式が21日、島根県奥出雲町の日刀保たたら高殿であり、今年も操業が始まった。 日本美術刀剣保存協会(東京)の関係者ら約30人が参加。神事に続き、勝田康則町長が「今年も安全に、優れた玉鋼が取れることを祈っています」とあいさつした後、村下(むらげ)と呼ばれる責任者の木原明さん(79)と渡部勝彦さん(75)が、炎が燃え上がる炉(長さ約3メートル、幅約1メートル、高さ約1・3メートル)に、今年最初の砂鉄を投入した。 玉鋼作りは、1回に砂鉄10トン、木炭12トンを使用。約2・5トンができるが、そのうち上質な玉鋼は約300~400キロという。 操業は2月上旬まで3回実施される予定で、木原さんは「全員が結束して、玉鋼を精魂込めて作りたい」と話していた。