Q 年金は受給が始まってから、年々目減りすると聞きました。どういう意味ですか。 インフレに負ける増額 A 高齢者が受給中の厚生年金と国民年金は、従来、物価が上昇すれば、「物価スライド」で年金額がその分だけ増えました。しかし、年金財政が厳しくなったため、厚生労働省は来年度から「マクロ経済スライド」という新たな仕組みに切り替える予定です。 この結果、インフレがあっても、年金は原則として物価上昇率から「調整率」を差し引いた率でしか増えなくなります。調整率は、高齢化の進み方に応じて毎年少しずつ変わるのですが、おおむね1%前後で推移する見通しです。例えば、ある年の物価上昇率が2%の場合、翌年度の年金増額は調整率を引いた1%にとどまるというイメージです。 年金の増額がインフレに負けるので、今の貨幣価値で考えると実質的に目減りしていきます。また、経済成長で現役世代の賃金が少しずつ増え、暮らしが豊かになっ