第4章　パソコン／ソフト管理編 昔の常識は今の非常識 思い込みがトラブルを招く パソコンやソフトを処分する際は、捨てたり、売ったり、人にあげたり、さまざまなやり方がある。ただ、「自分のものだからどうやってもいい」は通用しないのが今のルール最低限、ユーザー自身が守らなければならない決まりがあるのだ。 例えば、パソコンを燃えないごみや粗大ごみとして捨てた経験をお持ちの方もいるだろう。しかし、それは今やルール違反だ。 また、廃棄するにしろ売却するにしろ、パソコンを処分する際は、忘れずに、ハードディスクに保存されている個人情報などを消去する。一般には「ハードディスクをフォーマットすべし」と言われているが、日経パソコンの読者なら1ランク上の対策を取りたいところである。 新しい時代の新しい常識を身に付けよう。 ２４．ノートパソコンを不燃ごみに捨てた これまでパソコンを廃棄するとい

振り込め詐欺などに使われた銀行口座を開設した少年少女たちが先日、逮捕された。今回は高校生ら10人だけだが、わたしは以前から中高校生が転売目的で口座を開く問題に警鐘を鳴らしてきた。 最近はどこの銀行も本人確認を強化してはいるが、犯罪グループは偽造運転免許証などを用意し口座を開かせる。それを１口座当たり5000～１万円で買い取る。おそらく全国で相当な数の子どもたちが犯罪に加担する結果となっている。 子どもたちには、だが、罪の意識はほとんどない。何しろ、口座を作るだけでもうかるのだから、彼らにとっては「格好いいビジネス」のように見えるらしい。慣れてくると、ブローカーよろしく友だちを使って口座を開かせ、手数料をかすめ取る子どももいるそうだ。こうなると、友だちは友だちでなく、ただのカネヅルである。 おそらく、親は自分の子どもがそんなことをやっているとは夢にも思っていないだろう。

前回は、役人のマインドコントロールの巧みさを書いたが、それは政治家も似たようなものだ。派手なパフォーマンスによって、メディアや国民の目をくらましたり、本質的な問題から目をそらしたりするのは政治家の得意中の得意である。 そんなことをしみじみ感じたのは、厚生労働省管轄の独立行政法人「雇用・能力開発機構」が運営する「私のしごと館」の存続問題について、わたし自身が有識者会議の委員の一人としてかかわり、不条理とも言えるいきさつを目の当たりにしたからである。 この話題は、「第139回　赤字の公営施設はただ潰せばいいのか」でも取り上げたので、詳しい内容については、そのときの記事をご覧いただきたいが、その後、９月18日の茂木敏充行革担当大臣(当時)と舛添要一厚生労働大臣の会談によって、今年中に廃止という方針になってしまったようだ。 これに対するメディアの反応は、「私のしごと館」は無駄遣いのシンボルだ

６月５～８日、消防防災に関する国内最大級の展示会「東京国際消防防災展　2008」が、消防・防災意識の高揚を目的に開催された。そのセミナーで、サカモトキッチンスタジオを主宰するかたわら、相愛大学客員教授も務める坂本廣子氏が、自身の阪神・淡路大震災の被災体験をもとに、震災時の料理ワザ、食の安全の確保の仕方を披露した。 文・写真／吉田直人 2008年7月3日 阪神・淡路大震災のときには、助かり方には三つの種類がありました。一つは「自助」。自分で助かること。二つ目は「共助」。地域の中でお互いに助け合うこと。三つ目の「公助」は消防庁や警察など、普段わたしたちを助けてくれるところが助けてくれるということなのですが、あれだけ被害に遭った人が多数出た場合は、とても公助する側の人数が足りません。だからこそ、全く公助はないと思ってほしいのです。まず自助、自分でできる範囲のことをいっぱいしておいて、はじめて共

厚生労働省がまたまた政権の足を引っ張っている。後期高齢者医療制度だ。名称を批判されて、長寿医療制度と変更するなど、どたばたを演じている。 厚生労働省といってしまうと、旧労働省には気の毒なことになるので、旧厚生省と言い換えたほうがいいかもしれない。この役所は日本の医療、福祉政策の元締めであるはずなのだが、どうにも失態続きである。 後期高齢者医療制度は２年前に決まっていた。それが今年４月15日に年金からの天引き開始となり、あれだけ騒がれて信頼性が失墜している年金から天引きするのか、という非難が沸き起こった。４月27日の衆院山口２区補選に少なからず影響したのは当然だ。 旧厚生省はプレゼンテーションの能力に基本的に欠けているのではないか。後期高齢者医療制度について、サイトではさまざまな説明資料が掲載されているが、どう読んでも、すっとこちらの頭に入ってこない。 相手は後期高齢者、つまり75歳

世界から取り残された日本のバイオ研究 万能細胞の研究に投入する国費は、わずか30億円 そんな日本の現状を思うと、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて万能細胞（iPS細胞）の作製に成功したニュースの持つ意味がさらに重みを増してくる。臓器を修復する再生医療の実現に大きな一歩を記した。これぞ日本が国家をあげて支援すべきビッグプロジェクトであることは言うまでもない。 文部科学、厚生労働、経済産業の3省による支援策がまとまり、2008年度に投入する国費の総額がこの1月に公表された。 なんと、たったの30億円。 大手製薬メーカーのトップが呆れ顔で語った。 「大きな可能性がある研究です。官民合わせて最低でも1000億円くらい集めろと言いたくなる。米国と戦うなんてできやしません」 道路には10年で59兆円のカネをつぎ込もうというのに、万能細胞には1年で30億円。これが継続しても10年でも30

今年に入ってから、中高生を中心に流行している「学校裏サイト」が、わいせつ画像の受発信やいじめの温床になっているとして、にわかにクローズアップされている。子どものインターネット利用の問題に取り組んできた群馬大学社会情報学部大学院研究科教授の下田博次先生は、早くから学校裏サイトの存在を問題視し、調査を続けてきた。その下田先生に学校裏サイトを中心とした子どものインターネット利用の実態と、そうした現実に親はどのように向きあうべきなのか、話を聞いた。 自分の裸をケータイカメラで撮影して、サイトに掲載する女子中高生 ――中高生の間で流行っている学校裏サイトが、子ども同士の誹謗中傷やわいせつ画像のやりとりの場になっているとして、社会問題化しています。先生はこの問題に以前から取り組まれていたそうですね。 下田氏： 学校裏サイトの存在に注目して追跡調査を行うようになったのは、約２年前からです。「す

首都直下型大地震などの大規模災害が発生して交通機関がストップすると、徒歩での移動を余儀なくされる。非常時に会社や学校などから歩いて帰宅する安全なルートを事前に確認しておくことは、防災対策の基本の1つだ。企業にとっては、災害発生時にどの程度の社員が帰宅困難になるのか、あるいはどれくらいの社員を動員できるのかを把握しておくことは、事業継続計画（BCP：Business Continuity Plan）の立案の前提になる。そうした視点から、個人がそれぞれの安全な帰宅ルートをチェックできる帰宅支援マップサービスが注目を浴びている。 大規模地震などの災害が相次いで発生する中、さまざまなレベルで防災対策の検討が進められている。とりわけ大きな被害が懸念される首都圏の直下型大地震に関しては、2006年3月に東京都防災会議地震部会が「首都直下地震による東京の被害想定」を公表、この中で震度5強の地震でほと