本特集では、日経コンピュータの看板コラム「動かないコンピュータ」の過去記事の中から、セキュリティー関連の事例を14本取り上げていく。トラブルの真相から、今後のリスク回避につなげてほしい。 ベネッセホールディングスは2014年7月、会員の個人情報が流出したと発表した。「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」を利用する、子供の氏名や生年月日が外部に漏洩。アンケートなどで取得した非会員の情報を含めると、流出件数は2300万件に達する。 既に容疑者は逮捕されたが、ベネッセは「捜査に支障を来すため」と詳細を明らかにしていない。専門家に取材すると、ベネッセのセキュリティ体制に三つの「穴」があったことが判明した。 「大切なお子様の情報を流出させたことを真摯に受け止め、信頼回復に努める」。ベネッセホールディングスの原田泳幸代表取締役会長兼社長は、容疑者の逮捕を受けた2014年7月17日の会見で深々と頭を下げた。