「信念を少し丸めて、その場を取り繕っても、後々大きな禍根を残すこともある。それは政治家として不誠実ではないか」 安倍晋三首相は9日の参院決算委員会で、河野洋平元衆院議長が月刊誌「世界」(岩波書店)で、首相の国会答弁の姿勢などを批判したことに、強い口調で反論した。慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話が念頭にあるとみられる。 民主党の江崎孝氏が「世界」の河野氏の発言を引用し、「大先輩の指摘をどう思うか」と質問したのに対し、首相は「しっかり受け止め、拳々服膺(けんけんふくよう)する必要がある」とした上で、「このような批判も時には恐れず、自分の信念を述べていくつもりだ」と強調した。 河野氏は「世界」5月号のインタビューで、首相の国会答弁について「上から目線で接していることが少なくない。とりわけ疑問に思うのは相手の議員によって言い方や姿勢を変えているように見えることだ」と指摘。そ