打つ手が次々に裏目に出ている東京電力福島第1原発事故で、政府が事故を起こした原子炉建屋を建設費約800億円の特殊シートで遮蔽(しゃへい)する工事の着手を検討し、その実施の可否を東電幹部に迫っていたことが3日、分かった。原子力専門家からは大反対を受けた工事だったが、政治判断で押し切った。2号機の施設が破損して、亀裂から高濃度汚染水が流出した件では、水を吸収する「ポリマー」などで処置したが、効果は上がらず、手詰まりとなってしまった。 今度は“特大テント”が現れる。複数の政府関係者によると、福島第1原発で事故を起こしている1~4号機すべての建屋のまわりに骨組みを建てて、特殊なシートで張り巡らせる構想が出た。政府が東電幹部に対し、設置工事着手の可否を迫ったことが分かった。 菅政権が政治判断で踏み切った。関係者によると、特殊シートの使用は、細野豪志首相補佐官の下に設けられた原発対策チームのうち、馬淵