現代のイエネコのルーツはアフリカ北部やアジア南西部に生息するリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)とすでに判明している。ヤマネコには他にも4つの亜種がいるが、リビアヤマネコは従順で社交性の高い性格をしているといわれている。 論文によると、ネコと人類の出会いは今からおよそ一万年ほど前にさかのぼる。チグリス川とユーフラテス川の流域からシリア、パレスチナを経てナイル川の流域までを含む、古代文明が栄えたいわゆる「肥沃な三日月地帯」で、人間はネコと出会った。出会いのきっかけは農耕だといわれている。餌を求めたネズミが畑や人里にすみ着くようになり、ネズミを狙ったヤマネコたちも姿を見せるようになった。人間は害獣を狩ってくれるネコと共存し、時には世話をするようになった。紀元前7500年ごろのキプロス島の遺跡からは、ペットと見られる埋葬されたネコが発見されている。ただし、同時代にはネ