不況の深刻化は中小企業に特に悲惨な影響を及ぼす。実際に破綻してしまう先も多い。 このことの理由のひとつとして、一般に中小企業の資本勘定が脆弱であることが挙げられる。 資本勘定というバッファーが薄い為、ひとたび売上が減り、利益が出なくなると、多くの中小企業が債務超過に陥ってしまうのだ。(【注】債務超過に陥った会社には一般に銀行は貸出をしないから、多くの場合、会社は資金繰りがつかなくなって破綻してしまう。) 中小企業が破綻することにより失業者が増大してしまうから、これは社会全体にとって大きな問題だ。 ところで、中小企業が資本勘定を薄くしている理由のひとつとして、中小企業の経営者が往々にして「会社が儲かった時に金を使ってしまう」ことが挙げられる。 中小企業は同族会社であることが多く、「経営者の個人勘定」と、「会社の勘定」とが、必ずしも峻別されていないことが多いことも、「儲かった時に金を使ってしま