12日、西日本新聞は「給与所得、過大に上昇。政府の手法変更が影響、補正調整されず」との見出しで記事を書いた。骨子は“政府が発表する所得関連データの作成手法が変更された。これによって賃金の対前年比伸び率が大きすぎる状態が続いている。補正調整もなされていない。景気判断の甘さにつながる。専門家からも批判されている”というもの。 厚生労働省の毎月勤労統計調査は現金給与の支給実態を月次ベースで集計した基礎統計であり、経済の実勢を知るための重要指標の一つである。従来、調査対象事業所のうち30人以上の事業者は2~3年ごとに「総入替え」されてきたが、2020年から毎年1月に1/3ずつ入れ替える方式への変更を決定、今年はその経過措置として1/2が入れ替わった(4月20日付けの厚生労働省資料より)。 厚生労働省は“入れ替わっていない半分のサンプル”のみで集計した対前年比データを「参考値」として公表している。確
