研究室訪問の第5回目は、立命館大学生存学研究所に、川端美季先生を訪問しました。 川端先生がもっとも最近発表されたご論考は「清潔の指標―習慣と国民性が結びつけられるとき」(『現代思想』48巻7号、2020年)です。まずは、このご論考を手掛かりに、現在進めておられる研究についてお伺いしました。 これまで研究を進めるなかで、“清潔であることが当たり前” という意味で、清潔は “規範” になっていることに注目するようになりました。清潔が “規範” である以上、倫理的な問題をたくさん含んでいます。日本の人にとっては清潔であることは今さら問い直すこともない当然のことで、しかも「善いこと」と捉えられがちです。 一般の方に講演などでお話をさせて頂く機会がありますが、「清潔」という問題をどうしたらわかりやすく伝えられるだろうとずっと考えてきました。多くの人がその概念について考え直したこともなく、「善いこと」