どうして高速道路にタイヤが落ちていたのか―。歯科技工士の中村真彦さん(53)=広島市=は2017年10月、岡山県津山市の中国自動車道で起きたスペアタイヤの落下事故により、愛する妻と娘を一気に失った。「2人の命を奪った責任を感じてほしい」。タイヤを落としたトラックの運転手や運送会社側に対する岡山地検の刑事処分の行方を見守っている。(共同通信=寺田佳代) ▽「大変なことになってしまった」 17年10月18日午後8時すぎ、歯科技工士の妻美香さん=当時(49)=と大学生の長女亜美さん=当時(21)=は旅行のため軽乗用車で鳥取県に向かっていた。突然、目の前に現れた落下物のタイヤを避けきれずに乗り上げてしまい、車は故障する。路肩に避難して通報していたところ、後続のトレーラーが同じタイヤに乗り上げて横転。2人を直撃した。 仕事中の中村さんに最初に連絡が入ったのは自動車保険会社からだった。「ロードサービス