取り調べの際に被疑者に暴言をはいたことがきっかけで、検事をやめることになった市川寛氏。強引に自白を取ろうとする先輩や上司のやり方に疑問を感じていたが、反抗することはできなかったという。良心の呵責を感じながらも、検察という組織の「兵隊」になっていった――。2011年5月23日のシンポジウムで語られた市川氏の「告白」について、前回に続き、全文を書き起こして紹介する。 (いかにして「暴言検事」は生まれたか(1) 「生意気な被疑者は机の下から蹴るんだよ!」) ■調書を勝手に作文し、「署名しろ」と被疑者に迫る上司 3年目の検事だったときに、ある事件がありました。私自身は「そもそもこの事件は、自白があろうがなかろうが有罪になる」と、自分なりに捜査の結果を信じて、かつ、私が思うところの自白、供述としての自白も取り、調書も取って、決済に上げました。 すると、上司が言うには「足りない」と。「足りないところが

