Youtubeやニコニコ動画にアップされている職務質問動画を視ていると、ときどき公務員には肖像権がないという主張がみられます。はたしてこれは本当なのでしょうか。 何をもって肖像権と呼ぶかは議論があるところですが、ここではひとます「自己の容貌や姿態を無断で撮影され、公表されない人格的な権利」を肖像権と呼ぶことにします。 肖像権の侵害について明確に定めた法律はないので、肖像権の侵害については民法上の不法行為(709条)の問題として、扱われます。 過去に肖像権の侵害が問題になった裁判例をみてみると、「何人も」肖像権を有するという裁判例がみられます(東京地判平成2年5月22日)。この「何人も」というところから、あえて公務員だけ除く理由も特にないので、公務員にも肖像権は当然認められるという理解をすべきでしょう。 もっとも、判例は、肖像権を侵害する撮影行為と写真等の公表が常に違法になるのではなく、正当