「がん治療」についての様々な噂がネットには広がっています。その中に「WHO(世界保健機関)は抗がん剤使用を禁止している。抗がん剤は米国で使われていない。だから、抗がん剤治療を受けてはいけない」というのがあります。 この話はネットを中心に大きく広がっていて、YouTube動画や書籍などにも登場します。 そのため、患者さんから「この話は本当でしょうか?」と質問を受けることもしばしばあります。実際に、この話を信じて抗がん剤治療をやめてしまったという患者さんまでいます。 この噂は本当でしょうか?事実はどうなのかを詳しく解説したいと思います。 抗がん剤とは何か?まず、抗がん剤とは何かという話から始めます。抗がん剤とは一般的にがん細胞を殺す目的で使われる薬の総称です。 その中には、細胞障害性薬、分子標的薬、ホルモン剤、免疫チェックポイント阻害剤など、いろいろな種類の薬が含まれます。古いものは何十年も前